チェコの鉄道車両メーカー「シュコダ・グループ」は3月18日、ドイツのライン=ネッカー都市圏向け路面電車「38T」の量産第1号車が完成したと発表した。同グループは「世界最長の路面電車」とアピールしている。

38Tはシュコダの低床式路面電車ブランド「シュコダ・フォーシティ・スマート」の一つ。ライン=ネッカー都市圏ではフォーシティ・スマートの路面電車として3車体連節の36Tと4車体連節の37T、6車体連節の38Tの合計114編成が導入され、このうち38Tは12編成が導入される計画だ。36Tは2023年4月に営業運行を開始している。
軌間は1000mmで最高速度は80km/h。1編成の全長(定員)は36Tが30.5m(178人)、37Tが40.65m(244人)で、38Tは58.69m(368人)になる。シュコダ・グループは38Tを「世界最長の路面電車」としている。36T~38Tは連結運転にも対応しており、最大80mの編成で運行することもできるという。


日本の路面電車は法令上、原則として全長を30m以内にしなければならない。2023年8月に開業したライトライン(宇都宮市)に導入された3車体連節のHU300形電車も、1編成の全長は38Tの半分程度の29.52mだ。

ただし特別な認可を受ければ30m超にすることも可能。道路に軌道を敷設した区間がある京阪京津線では1編成66mの電車が運行されている。ライトラインのHU300形も将来の増結を想定して設計されており、30m超にすることは可能だ。
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