仏メーカーの新型2階建て高速車両「世界唯一ではない」指摘多数、日本もデザイン関与



フランスの鉄道メーカー「アルストム」が自社の新型車両を「世界唯一の2階建て高速車両」とSNSでアピールした。しかし実際は世界唯一ではなく、世界各地から「ツッコミ」が入っている。

アルストムが開発した2階建て高速車両の「アヴェリア・ホライゾン」。【画像:アルストム】

アルストムは5月6日18時30分(日本時間)、X(旧Twitter)で同社の新型車両「Avelia Horizon(アヴェリア・ホライズン)」の写真を添付して投稿。「世界唯一の2階建て高速列車である『アヴェリア・ホライズン』を知っていますか? このユニークな列車は業界最高の乗客定員を提供し、高レベルの快適さを提供します」とアピールした。

これに対し、英語やスペイン語、日本語による多数の返信や引用再投稿が付き、JR東日本の新幹線E1系・E4系や中国高速鉄道のCR400AF-S、フランス高速鉄道「TGV Duplex(TGVデュープレックス)」など2階建て高速車両の実例を挙げて「世界唯一ではない」と指摘している。

このうち「TGVデュープレックス」は、1995年からアルストムが製造している2階建て高速車両。「(アルストムは)自分たちが作ったほかのTGVのことを忘れてしまったようだ」と皮肉る投稿も付いた。

2階建て新幹線のE4系。【画像:HK-SAN/写真AC】
2階建て構造を採用した「TGV Duplex」。【画像:LeonardoYasu/写真AC】

「アヴェリア・ホライズン」はアルストムが現在展開している高速車両シリーズ「アヴェリア」のうち、動力集中方式の2階建て高速車両。設計最高速度は350km/hで、内装デザインは日本のデザイン会社「NENDO」(佐藤オオキ代表)も参画している。来年2025年までにフランス国鉄(SNCF)が導入する見込み。

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