JR東日本が磐越西線・会津若松~喜多方間(福島県)の「非電化化」を計画していることが分かった。福島県の喜多方市が8月3日、市議会全員協議会で説明した。
それによると、JR東日本は来年度2022年度から同区間の架線や架線柱などを順次撤去する方針という。これにより会津若松~喜多方間では、架線から供給される電気を使って走る電車が運転できなくなり、気動車や蒸気機関車、ディーゼル機関車しか走れなくなる。
JR東日本は2020年度決算の説明資料で、コスト削減の一環として電化路線の「非電化化」や複線路線の単線化を検討する方針を明らかにした。電車をハイブリッド車などに置き換えることで架線や変電設備などを撤去し、電化路線を非電化路線に移行。複線の路線でも単線化などにより線路や信号設備などを撤去する。説明資料では「非電化化」や単線化の対象となる路線名を明らかにしていなかった。
磐越西線は福島県と新潟県を結ぶ全長175.6kmのJR線。福島県寄りの郡山~会津若松~喜多方間は電化されているが、新潟県寄りの喜多方~新津間は非電化だ。
電化されている区間のうち、「非電化化」が計画された会津若松~喜多方間は上下計30本(毎日運転の定期列車、8月4日時点)が運行されている。このうち電車で運行されているのは郡山方面からの直通列車を含む4本だけで、残る26本は新潟方面からの直通列車を含む気動車。すでに気動車での運行が中心になっている。ほかに運行日を土曜・休日などに限定した新津~会津若松間のSL列車「SLばんえつ物語」もこの区間を走る。2019年には新型のGV-E400系電気式気動車が導入された。
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