東急電鉄の運賃「値上げ」運審が適当と答申 「期限付き認可」の検討など求める



国土交通大臣の運輸審議会は4月5日、東急電鉄が申請していた鉄道・軌道旅客運賃の上限変更認可申請について、国土交通大臣に対し認可することが適当と答申した。近いうちに認可されるとみられるが、期限付きの認可になる可能性もある。

東急線の列車。【撮影:草町義和】

東急電鉄は1月7日に改定率12.9%の上限変更認可を申請。認可された場合、同社は来年2023年3月に運賃の値上げを実施する予定で、実施運賃は認可された上限運賃と同額になる模様だ。普通旅客運賃の場合、初乗りは東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・池上線・東急多摩川線が140円で、10~14円の値上げ。世田谷線は全線一律160円で10~13円値上げされる。通勤定期運賃も値上げされるが、こどもの国線の運賃と通学定期運賃は据え置く。

認可された場合の普通旅客運賃の金額。【画像:国土交通省】

運輸審議会によると、新型コロナウイルスの影響で外出の自粛や通勤客のテレワークへの移行など行動様式が変化し、利用者数が大きく落ち込んだ。収支率も2019年度が102.4%だったのに対し、2020年度は78.6%に落ち込んでいる。こうしたことから答申では認可するのが適当とした。

その一方、新型コロナウイルスの今後の影響が不透明なことから、答申は「想定された旅客輸送量と実績が大きく乖離する可能性がある」とし、認可に際しては「期限に係る条件」を付けることの検討を行うよう国交相に求めた。また、期限までの実績が想定された収支率となっているか検証し、その結果を運輸審議会に毎年報告することも求めた。

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