相鉄線と東急線をつなぐ新線「神奈川東部方面線」(相鉄新横浜線・東急新横浜線)の全線開業を1年後に控えた3月31日、関係する7社局の車両が東急電鉄の車両基地「元住吉検車区」(川崎市)に集結し、報道関係者に公開された。
この日は西武鉄道・東武鉄道・相鉄・東急電鉄・東京メトロ・都営地下鉄・埼玉高速鉄道の車両を元住吉検車区の留置線に並べ、相鉄と東急電鉄が新線開業による相互直通運転の拡大をアピール。島式ホーム2面3線の地下駅として建設中の新横浜駅に、各社局の列車が乗り入れる姿をイメージできた。
元住吉検車区で並べられた車両は東側から次の通り。
西武鉄道 40000系(第40055編成)
東武鉄道 50070系(第51077編成)
相鉄 20000系(第20107編成)
東急電鉄 3020系(第3123編成)
東京メトロ 9000系(第02編成)
都営地下鉄 6500系(第6505編成)
埼玉高速鉄道 2000系(第08編成)
このうち相鉄20000系と東急3020系は、行先表示器に「急行 新横浜」を表示。さらに東急3020系は駅番号(駅ナンバリンク)と思われる「SH01」という記号も表示していた。
このほか、相鉄の電車区長と東急電鉄の乗務区長、相鉄と東急のキャラクター「そうにゃん」「のるるん」も参加し、7社局の車両に華を添えた。
西武・東武・東京メトロ・都営地下鉄・埼玉高速鉄道の線路は以前から東急線とつながっていて相互直通運転を行っており、それぞれの車両が元住吉検車区に出入りしている。相鉄線と東急線の線路はまだつながっていないが、新線の開業に向け相鉄の車両を東急線などで試運転する必要があり、JR線経由で東急線に搬入された。東急電鉄の関係者によると、3月31日は運用を調整して7社局の車両を元住吉検車区に集めたという。
神奈川東部方面線は相鉄本線の西谷駅から羽沢横浜国大駅と新横浜駅を経由し、東急東横線の日吉駅を結ぶ全長約12kmの新線。工事区間は西谷~羽沢横浜国大間の「相鉄・JR直通線」と羽沢横浜国大~新横浜~日吉間の「相鉄・東急直通線」に分かれている。一方、営業上は新横浜駅を境に西谷~羽沢横浜国大~新横浜間が「相鉄新横浜線」で、新横浜~日吉間が「東急新横浜線」だ。
2019年11月、相鉄新横浜線の一部となる相鉄・JR直通線が開業し、同時に相鉄線とJR線の相互直通運転が始まった。一方、相鉄・東急直通線として建設されている相鉄新横浜線の羽沢横浜国大~新横浜間と東急新横浜間は2023年3月に開業の予定だ。相鉄線から東京都心部へのアクセスが強化されるほか、東急線や相鉄線から東海道新幹線が乗り入れる新横浜駅へのアクセスも改善される。
相鉄新横浜線・東急新横浜線が全線開業すると、相鉄と東急が直通運転を行うほか、東武・東京メトロ・都営地下鉄・埼玉高速鉄道の列車も同線に乗り入れるように。西武鉄道の列車は相鉄新横浜線・東急新横浜線には乗り入れないが、東急線内でほかの6社局の列車と日常的に行き違うようになる。
《関連記事》
・相鉄・東急直通線「直通路線」決定 来年3月開業、直通しない路線も
・横浜ブルーラインの新型車両「4000形」公開 「海辺の先進的な都会感」5月から