国鉄電機「EF66形」最後の0番台「ニーナ」が定期運用終了 高速貨物やブルトレ牽引



JR貨物は5月9日、EF66形0番台で唯一の定期運用機だった「ニーナ」こと27号機について、このほど定期運用を終了したと発表した。同社は吹田機関区(大阪府吹田市)の特別公開を5月21・22日に実施し、「ニーナ」など同区の所属機関車を展示する。

定期運用を終了した「ニーナ」ことEF66形27号機。【撮影:草町義和】

特別公開は「有料撮影会」と「親子向け公開」の2種類。「ニーナ」のほかEF210形300番台などを展示する。有料撮影会は5月21日に2回(第1回:15時、第2回:17時30分)実施し、5月22日も3回(第3回:12時30分、第4回:15時、第5回:17時30分)行う。時間は各回80分だが第2回と第5回は100分。親子向け公開は5月21日の9時50分~10時50分に行われる。

参加できるのは有料撮影会が18歳以上、親子向け公開が大阪府在住の小学生以下とその保護者に限られる。参加できる人数は各回20人。申込みは5月11日14時からJRF商事のウェブサイト「かもつマルシェ」で受け付ける。有料撮影会の参加費用は2万7000円(第2・5回は3万円)。

EF66形は国鉄が高速コンテナ貨物列車用に開発した直流電気機関車。1966年に試作車(EF90形1号機、のちのEF66形901号機)が製造され、1968年から1974年にかけ量産車の基本型(0番台)55両が製造された。

当時の国鉄特急電車に似た外観が特徴で、運転台を高い位置に配置し、先頭の下側には左右2カ所にヘッドライトとテールライトを縦に並べて配置した。運転最高速度は110km/h。定格出力は3900kWで、狭軌(1067mm軌間)を採用した鉄道の機関車としては当時世界最大級だった。

1985年からは寝台特急の牽引にも使用。1987年の国鉄分割民営化時にはJR西日本が寝台特急用として16両を引き継ぎ、残り40両はJR貨物が引き継いだ。このほか、JR貨物がEF66形の改良型(100番台)を1989年から1991年にかけ33両導入。JR西日本が引き継いだ車両も一部譲り受けた。

吹田機関区の一般公開(1994年)で展示された試作車の901号機(左)と量産車の1号機(右)。【撮影:草町義和】

老朽化のため順次引退し、JR西日本の所属機は2010年までに消滅。JR貨物所属機も0番台は順次引退し、近年は27号機の1両だけ定期運用に入っており、鉄道マニアのあいだでは「ニーナ」と呼ばれ親しまれていた。

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