JR貨物の米原貨物ターミナル駅「事業中止」 計画浮上から20年



JR貨物は2月8日、米原貨物ターミナル駅(仮称、滋賀県米原市)について「昨今の情勢のなかで事業収支を見込むことが極めて厳しい」とし、同駅の事業を中止すると発表した。国土交通省近畿地方整備局の滋賀国道事務所も同日、米原貨物ターミナル駅と国道8号のアクセス道路の事業中止を発表した。

米原貨物ターミナル駅とアクセス道路のイメージ。【画像:国土交通省】

米原貨物ターミナル駅は米原駅の南寄り(神戸寄り)に計画された東海道本線の貨物駅。東海道本線・北陸本線の分岐点で付近には名神高速道路と北陸自動車道が通っていることから、物流拠点としての整備が期待されていた。年間の貨物取扱量は新規需要30万トンとほかの貨物駅からの移転分の10万トンをあわせ40万トンが見込まれていた。

JR貨物は20年前の2002年頃から米原貨物ターミナル駅の検討を開始。滋賀国道事務所もアクセス道路の整備計画の検討を進め、国・滋賀県・米原市・JR貨物の4者協議が続けられてきた。

しかし具体化に向けた動きは進まず、米原市の平尾道雄市長は昨年2021年6月の市議会定例会で「今これだけ時間がかかっているということ、そして採算性という言葉が伝わってくることを見ますと、必ずしも私は展望明るいものはないのではないか」と話し、実現が困難な情勢であるとの見方を示していた。

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