しなの鉄道の115系「2028年までに引退」へ 塗色変更の企画など実施



しなの鉄道は1月15日、115系電車を2028年までに順次引退させると発表した。1月15日を「115系の日」とし、完全に引退するまでの4年間でさまざまな企画を実施する。

しなの鉄道の115系。【撮影:草町義和】

しなの鉄道は引退に向けた企画「プロジェクト115」を始動。具体的な内容は今後逐次発表する予定だ。115系をモチーフとしたグッズなどの商品を販売し、その収益で車両の塗色変更を実施。塗色変更車を使った参加型イベント商品も企画するという。

115系は車体塗装は緑・オレンジ2色か青・クリーム2色を標準的な塗装としていたが、国鉄時代の末期から地域ごとに独自の塗装が採用されるようになり、さまざまなバリエーションがある。しなの鉄道は塗色変更の詳細を明らかにしていないが、過去に115系で採用された塗装の再現などが考えられる。

上越線を走っていたころの115系(1980年ごろ)。【撮影:草町義和】

115系は国鉄時代の1963年にデビューした普通列車用の直流電車。それ以前に製造された111系をベースに開発された。モーターの出力向上や抑速ブレーキの搭載により山間部の急勾配路線に対応したほか、雪や寒さに強い構造(耐寒耐雪仕様)も採用。1983年までに1921両が製造され、直流電化された国鉄線の多くに導入された。

しなの鉄道は1997年に信越本線・軽井沢~篠ノ井をしなの鉄道線としてJR東日本から経営を引き継いだ際、115系のうち1977年から1980年にかけ製造された耐寒耐雪仕様強化型(1000番台)を譲り受けた。老朽化のため2020年から新型車両SR1系電車への更新が進んでいる。

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