JR東日本は3月11日、新潟地区で普通列車用の国鉄電車「115系」の運用を終了した。これにより新潟地区の115系が46年の歴史に幕を閉じるとともに、JR東日本の定期列車から115系がすべて引退した。
JR東日本新潟支社の広報担当者によると、新潟地区の115系は3月11日、新潟17時01分発の新井行き快速列車を最後に定期列車での運用を終了した。臨時列車などでの運行はいまのところ計画されていないとしている。
115系は国鉄時代の1963年にデビューした普通列車用の直流電車。それ以前に製造された111系をベースに開発された。モーターの出力向上や抑速ブレーキの搭載を図って山間部の急勾配路線に対応したほか、雪や寒さに強い構造(耐寒耐雪仕様)も採用。1983年までに1921両が製造され、直流電化された国鉄線の多くに導入された。
新潟鉄道管理局(現在のJR東日本新潟支社)には1976年、70系などの旧型国電を置き換えるため導入された。当初は関東地区で使われていた115系を新潟に転属させたが、1978年には新潟向けに新造した改良型の115系(1000番台)が導入されている。耐寒耐雪仕様をさらに強化し、外気は車体に設置したルーバー(羽板状の通気口)から雪切室を介して取り込む構造に変更。座席の幅と間隔も拡大し、サービス向上を図った。
115系は3両編成か6両編成を基本としていたが、新潟地区ではのちに中間車を先頭車に改造するなどして編成を組み替え、2・4・5両編成も登場。塗装は関東地区の115系と同じ湘南色(緑とオレンジの2色)だったが、国鉄時代末期から新潟地区独自の塗装(新潟色)に変更したものも登場し、さまざまなバリエーションがあったのも新潟地区の115系の特色だった。
新潟地区への導入から40年近くが過ぎた2014年、新潟向けの新型車両としてE129系がデビュー。老朽化した115系はE129系に順次置き換えられていった。これを機に、新潟地区の115系は一部の編成が旧型国電の新潟色(赤・黄色)や湘南色、一次新潟色など過去の塗装に塗り替えられた。
新潟地区の115系の引退により、115系を定期運用しているJR旅客会社はJR西日本だけに。同社の115系も新型車両の導入により数を減らしている。このほか、しなの鉄道(長野県)がJR東日本から譲り受けた115系を運用しているが、こちらも新型車両のSR1系の導入に伴い順次引退している。
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