津軽鉄道のストーブ列車「2倍に値上げ」家庭用石炭の採掘終了などで維持費上昇



津軽鉄道(青森県)は7月23日、冬季に運行している「ストーブ列車」の料金を改定すると発表した。維持費調達のため値上げする。

津軽鉄道のストーブ列車。気動車(右)に牽引される客車(左)にダルマストーブが設置されている。【画像:taso583/写真AC】

ストーブ列車の乗車には乗車券に加えストーブ列車券を購入する必要がある。現在のストーブ列車券は500円だが、改定後は2倍の1000円に。寄付金付きのストーブ列車券も現在の700円から1200円に値上げする。

津軽鉄道によると、運行に必要な軽油や国内家庭用石炭の採掘終了による石炭仕入れ価格の上昇に加え、車両の維持に必要な修繕材料などの値上がりや人件費の増加もあり、現在の価格でのストーブ列車の運行が困難になったという。

津軽鉄道はJR五能線の五所川原駅に隣接する津軽五所川原駅あら津軽半島を北上して津軽中里駅に至る20.7kmの路線を運営。車内に暖房用としてダルマストーブを設置した客車を現在も保有しており、原則として冬季の12月1日から翌年3月31日までストーブ列車として運行している。

客車内に設置されたダルマストーブ。【画像:taso583/写真AC】

かつては運賃だけで乗車できたが、2007年に維持費調達のためストーブ列車料金(300円)を設定。2014年に400円に値上げした。2020年には500円に値上げするとともに鉄道維持を目的とした寄付金付きのストーブ列車券も発売している。

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