国内唯一「石炭列車」消滅へ 川崎から熊谷へ輸入炭を輸送

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国内で唯一残る「石炭列車」が、遅くとも今年2020年3月14日のJRダイヤ改正までに運転を終了する見通しになったことが、このほど分かった。

輸入した石炭を熊谷のセメント工場に運ぶ「石炭列車」。黒色の石炭専用貨車を機関車が引っ張る。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

運転を終了するのは、川崎と熊谷を結ぶ石炭輸送専用の貨物列車。川崎市臨海部の三井埠頭に陸揚げされた輸入炭を石炭専用の貨車に積み込み、近くの扇町駅(川崎市川崎区)からJRの鶴見線や南武線、武蔵野線、高崎線を走って熊谷貨物ターミナル駅(埼玉県熊谷市)に向かう。

熊谷貨物ターミナル駅からは秩父鉄道の貨物線(三ヶ尻線)に乗り入れて同線の三ヶ尻駅(埼玉県熊谷市)へ。同駅最寄りの太平洋セメント熊谷工場に搬入する。同工場に運び込まれた石炭は、セメント原料を加熱する工程(燃成)の燃料として使われている。

太平洋セメントは生活廃棄物や産業廃棄物をセメント原料や燃成の際の燃料として活用することで石炭の使用量を減らし、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する環境対策に取り組んでいることから、川崎と熊谷を結ぶ石炭列車の今後の動向が注目されていた。

「石炭列車」で使われている黒一色の貨車。側面に「石炭専用」と記されている。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
貨車を上から見ると黒い石炭が積まれているのが分かる。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

日本ではかつて、国内各地の炭鉱と近隣の国鉄線を結ぶ炭鉱鉄道が整備され、採掘された石炭を炭鉱鉄道と国鉄線を使って臨海部の工場などに運ぶ石炭列車が全国各地で運転されていた。

1960年代のエネルギー革命で多くの炭鉱が閉鎖されると炭鉱鉄道は廃止され、石炭列車も激減。2018年の時点では、炭鉱鉄道は釧路炭田(北海道)に整備された太平洋石炭販売輸送臨港線だけになり、JR線を走る石炭列車も川崎~熊谷間の輸入炭輸送列車だけになっていた。

鶴見線の昭和駅を通過する「石炭列車」。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

しかし、太平洋石炭販売輸送臨港線は2019年3月に運転を終了し、6月30日付けで路線自体が正式に廃止。川崎~熊谷間の石炭列車が廃止されると、日本の鉄道から石炭を運ぶ貨物列車が消滅することになる。

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