アストラムライン延伸「西風新都線」測量費など盛り込む 広島市2021年度予算案



広島市は2月8日、来年度2021年度の当初予算案を発表した。一般会計は約6837億円で、本年度2020年度より4.2%の増加。鉄道整備関係では、アストラムライン(広島新交通1号線)の延伸事業について、路線の測量費など(2億1800万円)を計上した。

アストラムラインの開業区間(青)と延伸区間(西風新都線、赤)の位置。【画像:国土地理院地図/加工:鉄道プレスネット編集部】

アストラムラインは本通駅(中区)と広域公園前駅(安佐南区)を結ぶ、全長18.4kmの路線。ゴムタイヤで専用の通路を走る新交通システム(案内軌条式システム=AGT)を採用しており、第三セクターの広島高速交通が運営している。

この路線をJR山陽本線・広島電鉄の西広島駅まで延伸する西風新都線の整備が構想されており、現在は環境影響評価の手続きが進行中。完成すれば、広島の中心市街地と広島市北部を結ぶ環状路線になる。

広島市が公表している2019年10月時点のルート案やスケジュール案などによると、西風新都線の延長は7.1km。丘陵部の住宅街を経由するルートで、五月が丘1駅・五月が丘2駅・石内東駅・己斐上駅・己斐中駅・西広島駅(いずれも仮称)を新設する。

アストラムラインの本通~広域公園前間は全線複線だが、西風新都線は全線単線で計画されている。最急勾配は59パーミル。石内東~己斐上間には全長1.7kmのトンネルを設け、それ以外は高架橋で整備される。概算事業費は約570億円。

西風新都線の縦断面図。【画像:広島市】

今後は2021年度までに都市計画法や軌道法の手続きを実施。その後、用地買収と工事に取りかかる。「令和一桁代後半」(2024~2027年頃)に広域公園前~石内東間を部分開業し、全線開業は「令和10年代初頭」(2028年以降)を目指す。