しなの鉄道の115系「S15編成」引退へ 「2代目長野色」消滅



しなの鉄道は同社が運用している115系電車のうち、S15編成の営業運転を12月上旬頃に終了すると発表した。営業運転の終了後は、ほかの115系車両の安全・安定輸送維持のために必要となる「部品取り」を行うため廃車される。

しなの鉄道115系のS15編成。【画像:しなの鉄道】

引退に先立つ11月27日には、「ゆる鉄画廊NOMAD号115系長野色の旅」と題したツアーが行われる。

115系は1963年から1983年にかけ1921両が製造された、国鉄の普通列車用の直流電車。それ以前に製造された111系電車をベースにモーターの出力向上や抑速ブレーキの搭載を図って山間部の急勾配路線に対応。雪や寒さに強い構造(耐寒耐雪仕様)も採用した。

1997年に信越本線・軽井沢~篠ノ井間の経営を第三セクターのしなの鉄道が引き継いだ際、同社はJR東日本から115系を譲受。長野~妙高高原間の経営を引き継いだ際も115系をJR東日本から追加で譲り受け、総数は59両となった。しかし老朽化のため新型車両のSR1系電車が昨年2020年に導入され、115系が順次引退している。

S15編成は耐寒耐雪仕様を強化したタイプ(1000番台)の3両編成で、1978年に製造。JR東日本を経て2015年にしなの鉄道が譲り受けた。譲受後も塗装は変更されず、JR東日本の長野エリアの独自塗装(2代目長野色)のまま。JR長野エリアの115系はすでに引退しており、S15編成の引退で2代目長野色の115系も消滅する。

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