しなの鉄道で「115系の夜行列車」かつての上越夜行など再現、古新聞も提供



日本旅行大阪法人営業統括部の鉄道・バス企画デスクとしなの鉄道は、「115系電車普通夜行 信越本線経由軽井沢行」と題したツアーを共同で企画した。7月22~23日の車中1泊2日。かつて上越線や中央本線などで運行されていた夜行普通列車を再現する。

しなの鉄道で運行される115系夜行列車のイメージ。【画像:しなの鉄道/日本旅行】

車両はセミクロスシート車の115系を使用。7月22日夜に軽井沢駅を発車し、しなの鉄道線・JR信越本線・北しなの線を行きつ戻りつしながら23日朝に軽井沢駅に戻る。行程は次の通り。

軽井沢21時13分発→(各停運転)→北長野23時37分着・23時58分発→(急行運転)→軽井沢1時32分着・2時50分発→(快速運転)→西上田3時53分着・4時40分発→(快速運転)→軽井沢5時42分着

日本旅行によると、各停運転→急行運転→快速運転というように、かつての夜行普通列車の運行形態を再現。オプションプランとして夜食の釜めし弁当を用意し、希望者には窓越しに弁当を渡して昔の駅弁販売の光景を演出するという。硬券乗車票も発行する。

このほか、古新聞を希望者に一人1枚まで提供する。かつて座席車のみの夜行普通列車では、床に新聞を敷いて横になる客の姿がよく見られた。ただし日本旅行は今回のツアーでは「床に寝ることはご遠慮下さい。車内美化にご協力ください」としている。

旅行代金は1万6500~2万8000円で、オプションプランの釜めし弁当は2200円。80人を募集する。申込みは「日本旅行 大阪法人営業統括部 鉄道・バス企画デスク」専用のツアー予約サイトで6月6日12時から受け付ける。

115系は近郊路線の昼行普通列車向けに開発された国鉄電車だが、夜行の普通列車で使われていたこともある。1982年11月時点では、高崎線や上越線を走る上野→長岡の夜行普通列車(列車番号:733M、下りのみ)と、中央本線・篠ノ井線を走る新宿~長野の夜行普通列車(列車番号:下り441M、上り1442M~442M)が115系で運行されていた。

上越線を走る115系(1980年頃)。【撮影:草町義和】

いずれも全車普通車自由席で列車名も設定されてなかったが、利用者からは上野→長岡が「上越夜行」、新宿~長野が「中央夜行」「山岳夜行」などと呼ばれ親しまれた。いずれも登山客の利用が多かったが、「上越夜行」は1985年に廃止。「中央夜行」も新宿→上諏訪の下りのみに縮小され、1993年に廃止されている。

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