只見線「上下分離方式」あす許可 只見~会津川口、11年ぶり再開へ



国土交通省は11月29日、JR東日本と福島県が申請していた只見線・只見~会津川口間27.6kmの鉄道事業許可について、あす11月30日付けで国土交通大臣が許可すると発表した。来年2022年中に11年ぶりに運転を再開する。

只見線の路線図と概況。中間の只見~会津川口間が上下分離方式に移行する。【画像:国土交通省】

只見線は上越線の小出駅と磐越西線の会津若松駅を結ぶ135.2kmの路線。国鉄時代の1971年に全通し現在はJR東日本が運営している。2011年7月の新潟・福島豪雨で橋りょうが流出するなどの甚大な被害が発生し、いまも只見~会津川口間が運休中だ。

同区間は被災前から利用者が非常に少なく、2010年度の輸送密度は370人。一時は鉄道を廃止してバスに転換することも考えられたが、地元の要望を受け上下分離方式を条件に復旧して運転を再開することになり、2017年6月にJR東日本と福島県が基本合意書を締結。2018年6月から復旧工事に着手した。

復旧工事の完了後、福島県が鉄道施設と土地を保有し、JR東日本は同県から鉄道施設・土地を借りて列車の運行を再開する。今回の許可は鉄道事業法に基づく上下分離方式への移行手続きで、JR東日本が第2種鉄道事業(線路を借りて列車を運行する事業)、福島県が第3種鉄道事業(線路を保有してほかの事業者に貸す事業)の許可を6月30日付けで申請していた。

復旧工事は当初、本年度2021年度中に完了する予定だったが、工事の難航で現在は2022年度上半期に復旧工事を完了し、2022年中の運転再開を予定している。

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