JR北海道は12月15日、来年2024年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。快速・普通列車の輸送体系の見直しが中心。すでに発表していた新千歳空港アクセス列車「エアポート」の輸送体制の変更に加え、新型車両の導入などを進める。
函館本線・千歳線(札幌~新千歳空港方面)
日中時間帯(9~16時)の「エアポート」を1時間につき特別快速1本・快速3本・区間快速2本の6本とし、いまより1本増やす。輸送力を日中時間帯で2割増強し、終日でも1割の増強を図る。特別快速1本と快速1本の毎時2本は小樽直通になる。
特別快速・快速・区間快速はすべて「先発・先着」とすることで分かりやすいダイヤにするという。新千歳空港駅ではおおむね10分間隔で、常にどちらかのホームで列車が客を待つようにする。
区間快速は北広島~新千歳空港の各駅に停車。4号車は全区間で指定席「uシート」になる。札幌~北広島には普通列車を毎時2本運転。島松・恵み野・サッポロビール庭園・長都の各駅には区間快速が停車する。
千歳~苫小牧では普通列車を毎時1本程度運転。一部の列車は新型車両の737系電車で室蘭方面に直通し、千歳~苫小牧はワンマン運転になる。
札幌方面と千歳・苫小牧方面を結んでいる日中の普通列車は、運行区間を北広島以北と千歳以南に分割。北広島~千歳の普通列車を廃止し、区間快速の「エアポート」で代替する形になる。
このほか、新千歳空港23時21分発の手稲行き特別快速「エアポート195号」を新設。これにより最終を28分繰り下げ、深夜帯の航空機から利用できるようにする。南千歳駅では23時33分発の苫小牧行きに接続。札幌駅では23時59分発の岩見沢行きとあいの里公園行き最終列車に接続する。
また、現在は新千歳空港19時54分発の快速「エアポート199号」を19時51分発の特別快速「エアポート165号」に変更して速達化。新千歳空港→札幌の所要時間を改正前より5分短い33分にする。
函館本線(札幌~小樽)
すべての特別快速・快速「エアポート」「ニセコライナー」の全45本を桑園駅に停車させる。これにより小樽方面~札沼線(学園都市線)方面の乗り換えを改善。45本中27本は札幌駅で乗り換えるより1本前の列車に乗車できるようになる。同時に夕方通勤時間帯の混雑緩和も図る。
日中時間帯は新千歳空港直通となる特別快速・快速のうち、快速を手稲~小樽で各駅停車とする。また、利用状況にあわせて札幌~小樽の普通列車を毎時1本減らす。快速「ニセコライナー」は手稲~小樽を各駅停車とし、通勤時間帯の利便性向上と前後の列車の混雑緩和を図る。
函館本線(札幌~岩見沢)
利用状況にあわせて日中時間帯の札幌~江別の普通列車を毎時4本から1本減らして3本にする。
函館本線(岩見沢~旭川)
従来の721系電車や気動車を新型の737系やH100形電気式気動車に置き換え、岩見沢~滝川では朝晩の札幌方面の直通列車を除きワンマン運転を開始する。滝川6時33分発→旭川7時29分着の普通列車は気動車2両から電車の737系2両に置き換えて速達化。時刻を滝川6時45分発→旭川7時27分着に変更し、所要時間を14分短縮する。
滝川~深川・旭川では夕方に上下各1本増発。一方で日中時間帯の一部列車は利用状況にあわせて廃止する。
石北本線・釧網本線
石北本線・上川~網走と釧網本線にH100形を導入し、旧型気動車のキハ40形とキハ54形をすべて置き換える。
石北本線の上川~網走ではH100形の導入で速達化が図られ、キハ40形で運行している列車との比較では留辺蘂~北見で最大6分の短縮。北見~網走も最大9分短縮される。旭川~北見の特別快速「きたみ」は現在の1両から2両編成に変更する。
釧網本線では網走発→摩周行き「しれとこ摩周号」で車窓を楽しめる区間の減速運転を実施。利用者が少ない早朝と夜間の一部列車を廃止する。
根室本線(滝川~富良野~東鹿越)
ダイヤ改正後の3月31日限りで富良野~東鹿越~新得(東鹿越~新得は代行バス運行中)の鉄道事業が廃止されるのに先立ち、滝川~富良野~東鹿越は折り返し運行に変更。廃止直前の利用者の増加に対応するため、富良野~東鹿越では日中時間帯に1往復増発する。
「狩勝」など快速列車3本はすべて普通列車化。滝川~富良野では日中時間帯に増発するとともに夜間帯の一部列車を廃止する。
その他
利用者の少ない次の5駅を廃止する。
・石勝線:滝ノ上駅
・宗谷本線:初野駅
・宗谷本線:恩根内駅
・石北本線:愛山駅
・函館本線:中ノ沢駅
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