近鉄奈良線「高架・移設地下化」西大寺車庫の移転含め複数案検討 基本設計に着手へ



近鉄奈良線・大和西大寺~近鉄奈良間の高架・移設地下化に向け、具体的な検討が始まる。奈良県は5月27日、基本設計業務の公募型プロポーザルを公告した。

近鉄の3路線が合流する大和西大寺駅。【画像:DR_AC/写真AC】

奈良県が策定した地方踏切道改良計画に基づき基本設計を行い、協議用の資料を作る。線路の詳細な位置をまとめた平面図・縦断図や駅舎の平面図について、西大寺車庫の移転の可能性や周辺のまちづくりなども考慮しながら複数案を作成する。委託額の上限は1100万円。履行期間は契約日から来年2023年3月25日まで。

奈良県と奈良市、近鉄の3者は昨年2021年3月、大和西大寺~近鉄奈良間の高架化や移設地下化について合意し、奈良県が地方踏切道改良計画を国土交通大臣に提出した。近鉄奈良線・京都線・橿原線が合流する大和西大寺駅付近を高架化するとともに、大和西大寺~近鉄奈良間の線路を平城宮跡の外(南側)に移設、地下化する。

大和西大寺~近鉄奈良間の移設ルートと解消される踏切の位置。【画像:国土地理院地図、加工:草町義和・鉄道プレスネット】

3者は2041年からの工事着手と2060年の完成を目指している。事業が完了すると8カ所の踏切が解消され、平城宮跡を貫いている現在の近鉄奈良線の線路がなくなる。

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