京都丹後鉄道「キハ85系」導入 JR東海の特急車、京都鉄博での展示後そのまま現地へ



京都丹後鉄道(丹鉄、京都府・兵庫県)を運営する「WILLER TRAINS」(ウィラー・トレインズ)がJR東海から特急型気動車「キハ85系」を譲り受け、営業車両として導入することが3月7日、分かった。

JR東海のキハ85系。【画像:YKT2000/写真AC】

ウィラー・トレインズ親会社の「WILLER」(ウィラー)によると、キハ85系の2両編成1本を導入する計画。車両の内外装はほぼ変更しない。運行開始時期は未定という。

ウィラー・トレインズは鉄道事業法に基づき公表している安全報告書の2021年度版で、車両更新のため2両1編成の中古車両を導入する計画を明らかに。京都府も老朽化した丹鉄の特急車両「タンゴエクスプローラー」の継続使用が不能だとし、ダイヤ維持や安定運行確保のための中古特急車両の導入経費を支援するものとして3600万円を2022年度6月補正予算に計上していた。

京都丹後鉄道の「タンゴエクスプローラー」。【撮影:草町義和】

キハ85系は1988年から1992年にかけ80両が製造されたJR東海の特急型気動車。国鉄時代に製造されたキハ82系特急型気動車の更新やスピードアップによるサービス向上を目的に開発され、高山本線の特急「ひだ」や紀勢本線の特急「南紀」で運用された。

最初の導入から30年が過ぎて老朽化したこともあり、JR東海は新型のハイブリッド式特急型気動車「HC85系」を昨年2022年7月から導入。今年2023年3月18日のダイヤ改正で「ひだ」の定期列車がHC85系に統一されるほか、7月からは「南紀」にもHC85系が導入される予定だ。これに伴いキハ85系の廃車が2022年から始まっている。

今年2023年2月23日、京都鉄道博物館でHC85系2両とキハ85系2両(キハ85-3+キハ85-12)の特別展示イベントが行われた。展示会は3月5日に終了したが、キハ85系2両はJR東海の車両基地には戻らず、回送列車としてJR西日本の福知山線などを走行。3月7日未明までに京都丹後鉄道の西舞鶴駅に到着した。

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