京阪電鉄「座席が降りる電車」5000系が6月に引退へ 13000系の増備で置き換え



京阪電気鉄道(京阪電鉄)は1月27日、13000系電車を増備して5000系電車を6月頃までに置き換えると発表した。昇降式座席というユニークな設備を備えた電車が半世紀の歴史に終止符を打つ。

6月に引退する5000系。【画像:京阪電鉄】

京阪電鉄によると、安全性向上や環境への配慮、バリアフリーへ対応などを目的に、2012年にデビューした13000系電車の5次車を36両(6両編成6本)導入する計画。これにより5000系を順次置き換え、6月頃には置き換えが完了する。これにより京阪本線を走る車両のドア位置の統一が図られることから、京橋1・2番線のホームドア設置工事を実施。来年度2021年度中に完成させる。

13000系の5次車は戸挟み検知装置を新設。乗降用ドアの上部に設置したセンサーで、ドア閉め時の傘や杖などの挟み込みを検知し、乗務員に知らせる。また、車内防犯カメラが1両あたり3カ所に設置される。

このほか、ドアの車内上部に広告用のデデジタルサイネージを設置。13000系の既存車49両(7両編成7本)についても、広告用デジタルサイネージを追加で設置し、2022年度中に完了する予定という。

京阪電鉄の13000系。【撮影:草町義和】

京阪電鉄の5000系は、1970年12月にデビューした京阪電鉄の通勤車両。通勤車両のドアは通常、1両の長さが18m台なら片側3カ所に設けられているが、5000系は18m台ながらドアを5カ所に設けている。これによりラッシュ時の乗降時間の短縮を図ったのが特徴だ。

また、5ドアのうち2ドアには昇降式の座席を設置。ラッシュ時は座席を天井側に収納して5ドアで運用し、それ以外の時間帯は座席を床側に降ろして3ドアで運用することで、座席の減少による着席サービスの低下を抑えている。

車両の老朽化のほか、ほかの車両とはドア位置が異なることもあり、ホームドアの設置計画にあわせて引退することが決まった。5ドアでの運用は今月1月で終了する。