ことでん「レトロ電車」23号はGWに引退 ほか3両も2021年までに引退へ



四国の香川県内に路線網を持つ高松琴平電気鉄道(ことでん)はこのほど、今年2020年の「レトロ電車」4両の特別運行の運転日などを発表した。4両のうち最も古い1両はゴールデンウィークの運行をもって引退する。

ことでん「レトロ電車」の4両。先頭の23号がまもなく引退する。【画像:ロクヨン/PIXTA】

レトロ電車は20形電車23号と1000形電車120号、3000形電車300号、5000形電車500号の計4両。1月30日時点の計画では、4月19日、5月3・4日、6月14日、7月19日、8月30日の計6日間、運行される。

4両のうち23号は5月3・4日の運行をもって引退することが決まっており、両日とも23号の引退記念イベントが行われる予定。ダイヤやイベントの内容は後日案内される。それ以外の運転日の車両は次の通り。

●4月19日
 300号+120号+23号

●6月14日
 500号+300号+120号

●7月19日
 300号+500号

●8月30日
 300号+120号+500号

23号はいまから95年前の1925年、大阪鉄道(現在の近畿日本鉄道=近鉄の南大阪線)のデロ20形として製造された車両。1961年にことでんが譲り受けた。営業運転できる状態で残っている電車としては日本最古という。ほかの3両も1926年から1928年に製造されており、90年以上の歴史を持つ。

古い車両のため保守費用がかさんでおり、ことでんは4両の廃車を決定。23号に続いて500号が今年2020年のシルバーウィークをもって引退し、120号と300号も来年2021年のゴールデンウィークには引退する予定だ。

ことでんはレトロ電車の引退後について「お申し出があれば、譲渡することを検討してまいりますが、静態保存先が確保できなければ解体する予定」としている。4両のうち23号と500号は譲渡先が決まったという。

岡山県玉野市内で保存されている760号。【撮影:草町義和】

ことでんが運用していた古い電車は、これまでにも別の企業や市民団体に譲渡されて静態保存されている例がいくつかある。岡山県の玉野市営電気鉄道(旧・備南電気鉄道)から譲り受けた電車で2006年に引退した750形電車760号は、玉野市内の総合保健福祉センターの敷地内で保存されている。