名鉄線の知立駅付近(愛知県知立市)を高架化する連続立体交差事業(連立事業)の事業完了時期が、現在の計画より3年延期される見通しになったことが分かった。事業費も200億円以上増える見込み。

都市計画法上の事業施行期間は現在、2028年度末(2029年3月31日)までとされている。事業主体の愛知県は国の働き方改革の影響で作業時間が短くなっていることや、運行の安全性に配慮したためとし、事業施行期間を3年延長して2031年度までとする方針だ。
一方、線路の高架切替は2023年3月、名古屋本線の上り線(豊橋方面)が切替済み。愛知県は事業施行期間を3年延長した場合、2026年度に名古屋本線の下り線(名鉄名古屋方面)を高架に切り替え、2027年度には三河線の高架切替を実施。2030年度の高架橋工事の完了を目指すとしたスケジュールを示している。
全体事業費はこれまで約792億円とされていたが、203億円増の約995億円の見込みになった。愛知県の負担額は54億円増の約232億円、知立市の負担額は24億円増の約149億円になる。愛知県は増加の要因として人件費や資材費の上昇、安全対策や周辺環境対策の追加・変更を挙げている。同県はこれに関連し、債務負担行為に関する議案を来年2026年2月の県議会に提出する考えだ。

この連立事業は、名鉄の名古屋本線と三河線が乗り入れる知立駅付近の線路について、第1期区間として合計約5kmを高架化するもの。これにより10カ所の踏切を解消する。
2000年の事業認可を経て着手し、当初の事業施行期間は2014年度末までとしていた。しかし2014年、事業施行期間を9年延長して2023年度末までに変更。2022年3月にも事業施行期間を5年延長して2028年度末に変更していた。今回の延長で事業完了時期は当初の予定より17年遅れることになる。

連立事業は踏切遮断時間が長く人家の密集した都市部で実施されることが多く、従来は用地買収の難航で事業が遅れることが多かった。近年は想定外の地質の出現や耐震化などに伴う工事方法の変更、いわゆる働き方改革による作業時間の短縮など、用地買収以外の要因による遅れも目立っている。
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