JRお盆輸送「前年比137%」コロナ禍前の84%まで回復も台風・大雨で伸び悩む



JRグループ旅客6社は8月18日、お盆期間(8月10~17日)の輸送概況を発表した。新幹線や在来線特急など46区間の輸送人員は合計935万5000人。コロナ禍が収束に向かうなか、前年2022年の同日比で137%と大幅に増加した。コロナ禍前の2018年との比較では84%まで回復した。

台風や大雨の影響で輸送人員が伸び悩んだ東海道新幹線。【撮影:鉄道プレスネット(AT)】

各社別の2022年比は、JR北海道が150%で最大。これにJR東日本(147%)とJR九州(145%)が続いた。JR東海・JR西日本・JR四国は台風7号による計画運休や大雨の影響が大きく120~130%台と伸び悩んだ。

JR旅客6社のお盆輸送の概況。【画像:JRグループ】

新幹線の輸送実績(2022年比)は、JR北海道の北海道新幹線が6万7500人(160%)。JR東日本は東北新幹線の大宮~宇都宮と古川~北上が158万8000人(147%)、上越新幹線・大宮~高崎が95万8000人(140%)、北陸新幹線・高崎~軽井沢が53万5000人(139%)、秋田新幹線・盛岡~田沢湖が7万2000人(156%)、山形新幹線・福島~米沢が9万5000人(162%)だった。

JR東海の東海道新幹線(8月16日の輸送人員は一部未集計)は、新横浜~小田原「こだま」と小田原~静岡「のぞみ」「こだま」の輸送人員が268万5000人で、2022年比は125%。JR西日本は山陽新幹線・新山口~小倉が70万9000人(134%)、北陸新幹線が26万5000人(146%)だった。

JR九州は九州新幹線・博多~熊本が30万6000人(153%)。2022年9月に開業した西九州新幹線・武雄温泉~長崎は7万7000人で、2022年お盆期間の在来線特急・諫早~長崎との比較では205.1%だった。

在来線特急はJR北海道「北斗」「すずらん」の東室蘭~苫小牧で5万4700人(167%)。JR東日本は「いなほ」が3万2000人(174%)。成田空港アクセス特急「成田エクスプレス」は12万5000人(382%)で、海外渡航の制限緩和で4倍近く増加した。

輸送人員が2022年の4倍近くになった「成田エクスプレス」。【撮影:草町義和】

JR東海は「しなの」の名古屋~多治見が5万6000人(128%)。寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の静岡~浜松は運休の影響で4000人(73%)と2022年を下回った。JR西日本の「サンダーバード」は16万7000人(145%)で、JR九州の在来線特急は鳥栖~江北が16万3000人(136.6%)だった。

このほか、JR四国は瀬戸大橋線が21万1200人(131%)。予讃線・土讃線・高徳線の主要3線区は9万6600人(126%)だった。

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