南海電鉄ダイヤ改正でラピート「コロナ禍前」の水準に 一部支線は「大幅減便」



南海電鉄は9月15日、南海線系統のダイヤ改正を10月21日に実施すると発表した。新型コロナウイルスの水際対策の緩和による空港線の利用者回復を受け、関西空港アクセス特急「ラピート」や空港急行の輸送力を増強。その一方、一部の支線は利用状況を踏まえて大幅な減便を実施する。

運行本数がコロナ禍前の水準に戻る「ラピート」。【画像:真明/写真AC】

ダイヤ改正の対象は南海本線・空港線・多奈川線・和歌山港線。加太線と高師浜線(代行バス)は改正しない。

「ラピート」の運行本数は1日54本だが、改正後は12本多い66本に。終日1時間につき2本体制とし、コロナ禍前と同じ水準の輸送力を確保する。

空港急行は現在128本で、このうち平日61本、土休日34本が8両編成。それ以外は6両編成で運行されている。改正後も運行本数は変わらないが、8両編成の列車を平日100本、土休日97本に増強。需要の増加に対応する。

一方、多奈川線は大幅に減便。現在は平日ダイヤで上下各46本のところ、改正後は約4割減の上下各26本に変わる。土休日も現在は上下各37本のところ上下各23本に減らす。始発列車は平日38分、土休日25分の繰り下げ。最終列車は平日で48分~1時間10分繰り上げ、土休日は46~54分繰り上げる。

多奈川線は南海本線のみさき公園駅から大阪湾岸に伸びる2.6kmの支線。終点の多奈川駅の一つ前に深日港駅があり、かつては深日港を発着する淡路島・四国航路へのアクセス路線として難波~深日港を直通する列車も走っていた。

しかし大鳴門橋の開通やほかの港湾を発着する航路の充実などで深日港発着の定期航路が廃止され、多奈川線の利用者も減少。起点のみさき公園駅を除く各駅の乗降人員は1日平均で1000人を大きく割り込んでおり、多奈川駅はコロナ禍前の2017~2019年度で600人台だった。

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