南海高野線の6000系「無塗装ステンレス」復活 60年以上前の姿を再現



南海電鉄は8月7日、「6000系復活デザイン車両」を9月11日から運行すると発表した。6000系電車をデビュー時の無塗装ステンレスの姿に戻す。これに先立ち撮影会イベントも行われる。

南海電鉄の6000系。現在はラインカラーなどによる装飾が施されている。【画像:南海電鉄】

「6000系復活デザイン車両」として運行されるのは、第6001編成+第6028編成の6両。9月11日から当面のあいだ、南海高野線・泉北高速鉄道線の難波~橋本・和泉中央で運行される。12月10日までは南海電鉄の電話窓口で運行ダイヤ(運行日の3日前以降)の問い合わせに対応する。12月11日以降も運行されるが、問い合わせには対応しない。

撮影会イベントは9月9日に千代田工場(大阪府河内長野市、高野線の千代田駅から徒歩約20分)で開催される予定。参加費は大人(中学生以上)6000円、子供(小学生)3000円で、幼児の参加や小学生のみの参加はできない。募集人数は合計200人。申込みは8月8日10時から南海電鉄のウェブサイトで先着順で受け付ける。

6000系は60年以上前の1962年、高野線の平坦区間用としてデビューしたオールステンレス車体の通勤電車。この年は日本初のオールステンレス車である東急7000系電車や京王3000系電車もデビューしているが、これらの車両は長さ約18mだったのに対し、南海6000系はオールステンレス車初の長さ約20mの車両だった。いまでは珍しい片開きの大型ドアを採用しているのも特徴だ。

1969年までに72両が製造された。デビュー時の車体は無塗装だったが、現在はほかの車両と同様に青・オレンジのラインカラーや「NANKAI」のロゴマークで装飾されている。老朽化のため順次廃車されているが、いまも30両近くが現役だ。

無塗装だったころの6000系。【画像:南海電鉄】

南海電鉄によると、多くの客から「ステンレス無塗装を復活させてほしい」との要望があったとし、無塗装ステンレス車体での運行することにしたという。

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