名鉄の知立駅付近を高架化する連続立体交差事業(連立事業)について、愛知県知立市は11月25日、事業計画を見直すと発表した。事業完了が5年遅れるほか、事業費も膨らむ。
事業完了時期はこれまで2023年度とされていたが、5年延びて2028年度に。総事業費は約610億円のところ、約182億円増えて約792億円に膨らむ。このうち知立市の負担額は約20億円増えて約125億円になる。
知立市によると、工事用地が狭く列車や周辺環境に配慮するための検討・工事に時間がかかり、工期が延びることに。また、物価上昇や地中状況など計画当初は想定が難しかった要因の判明などにより、事業費も膨れあがることになったという。
事業主体の愛知県は事業計画の変更手続きを進めており、線路ごとに段階的に高架化する整備スケジュールを想定している。
まず来年度2022年度に名古屋本線(豊橋方面行き)の線路を高架線に切り替え。三河線の三河知立駅は2023年度に移設する。2025年度には名古屋本線(名古屋方面行き)を高架化し、2027年度には三河線の切替により高架化が完了。その後、側道などを整備して2028年度に連立事業が完了する予定だ。
知立市は「本事業では、今後の工事の進捗に伴って段階的に効果が現れます」「それぞれの段階に併せた賑わいを創出できるよう、周辺のまちづくりを進めて参ります」としている。
この連立事業は知立駅とその前後の線路を高架化するもの。全体の計画区間は名古屋本線・三河線の合計約6150mで、このうち名古屋本線の豊橋寄り約1170mを除く約4980m(高架区間は約4260m)を1期区間として工事が行われている。1期区間が完成すると10カ所の踏切が解消され、知立駅も高架化される。
一方、高架化の範囲内にある三河線の三河知立駅は、事業費の低減を図るため高架化の範囲外(現在地から東へ約900m)に移設。現在の場所は知立駅と駅勢圏が重複していることから、移設によって駅勢圏の拡大も図る。
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