東京メトロ南北線「分岐延伸」品川駅やトンネルの構造など明らかに 大深度法適用か



品川(仮称)~白金高輪の2.8kmを結ぶ品川地下鉄(東京メトロ南北線の分岐延伸区間)の計画について、東京都と東京メトロは6月21日までに都市計画素案などを公表。駅や線路の構造などを明らかにした。

南北線分岐延伸区間の平面図。品川~白金高輪を結ぶ。【画像:東京都・東京メトロ】

都市計画を変更するのは港区高輪4丁目から白金台1丁目まで約2.5km。南北線の分岐延伸区間は品川駅から都営浅草線の高輪台駅付近や南北線の白金台駅付近を経て南北線の既設引上線に接続し、白金高輪駅に乗り入れる。引上線との接続部から白金高輪駅まで約0.3kmの都市計画は変更しない。途中、高輪3丁目付近で予定されている市街地再開発事業との重複範囲は都市計画を立体的に定める。

品川駅は国道15号(第一京浜)の下に設置し、北に少し進んでから半径約190mのカーブで市街地再開発事業の区域を通り抜ける。その先は事業中の道路(環状第4号線)の下を通って西~北西に進む計画。白金台駅の手前に半径約160mのカーブを設けて北東に向きを変え、都道312号(目黒通り)と南北線の線路の下を通って引上線に接続する。

品川駅は幅約19~22mの箱型トンネルを開削工法で建設し、島式ホーム1面2線を設ける。引上線との接続部も開削工法で建設する。それ以外の中間部は幅約10mの複線円形トンネルをシールド工法で建設する。途中に駅は設けず、高輪台駅や白金台駅との連絡も行わない。

品川駅部の横断面図。1面2線の島式ホームを設ける。
ルートの大半は複線円形シールドトンネルになる。【画像:東京都・東京メトロ】

東京都と東京メトロは南北線と環状第4号線が重複する範囲について、南北線の計画としては用地買収を行わないとしている。その一方、複線シールド区間の一部は地表から深さ40m以上になる可能性があることから、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度地下法)の適用の可能性について今後検討するとしている。

南北線分岐延伸区間の縦断面図。大深度法の適用も検討する。【画像:東京都・東京メトロ】

南北線の分岐延伸区間は2030年代半ばの開業予定。東京都と東京メトロは今後、都市計画変更とあわせて環境影響評価の手続きも進める方針だ。

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