大阪メトロ中央線「万博会場延伸」コスモスクエア~夢洲のトンネルつながる



大阪メトロは6月21日、大阪メトロ中央線を延伸する形で大阪湾の人工島「夢洲」を結ぶ北港テクノポート線(南ルート)のトンネル工事について、夢洲駅(仮称)から発進したシールドマシンが夢咲トンネル部に到達したと発表した。これにより南ルートのトンネルがつながった。

大阪メトロ中央線に導入される400系。【画像:大阪メトロ】

大阪メトロは2019年10月、「北港テクノポート線のインフラ部整備」に関する基本協定を大阪市の大阪港湾局と締結。翌2020年4月から夢洲駅と夢咲トンネルをつなぐ部分の工事を進めてきた。2022年7月、夢洲駅からシールドマシンによる掘削工事を開始。今年2023年5月24日にはシールドマシンが夢咲トンネルとの接続部に到達し、6月20日に到達式を行った。

シールドマシンの到達式。【画像:大阪メトロ】

北港テクノポート線は、大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅から大阪湾人工島の夢洲地区と舞洲地区を経て、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)北西側に設ける新桜島駅(仮称)を結ぶ7.5kmの新線計画。このうちコスモスクエア~夢洲3.2kmの南ルートは、道路・鉄道併用の沈埋工法による海底トンネル(夢咲トンネル、2138m)が2009年に完成したが、それ以外は事業が長らく凍結されていた。

大阪・関西万博が夢洲地区で2025年に開催されることが決まったのを受け、南ルートのみ万博会場へのアクセス路線として事業が再開された。コスモスクエア駅から夢咲トンネルを経て、同トンネルの夢洲側から夢洲駅まで約760mは2本の単線シールドトンネルで結ばれる。

北港テクノポート線のルート。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

鉄道事業法上は大阪港トランスポートシステム(OTS)が北港テクノポート線の第1種鉄道事業者だが、南ルート開業時には大阪メトロがOTSから線路施設を借り入れて列車を運行する第2種鉄道事業者になるとみられ、実質的には近鉄けいはんな線~大阪メトロ中央線の延伸部として直通列車が運行される。

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