大阪港トランスポートシステム(OTS)は6月14日、本年度2023年度の年度計画を策定したと発表した。鉄道事業は2025年の大阪・関西万博の開催に向け、同博覧会の会場アクセス路線として工事中の北港テクノポート線(南ルート)の事業を推進する。
2023年度は鉄道事業法に基づく事業基本計画の変更手続きや、「鉄道運行者」の事業許可申請手続きへの協力を実施。最適な申請時期や申請書類の詳細について国と引き続き協議し、事業基本計画変更と線路使用条件の申請を行うとしている。
OTSが昨年2022年7月に策定した2022年度の年度計画では、これらの手続きについて2022年度中に申請して認可を得るとしていた。今回、2023年度の年度計画でも変更手続きが盛り込まれたことから、手続きの遅れが明らかになったといえる。
施行認可関係では開業に向けた関係先との協議と各種手続きを進める。OTSが整備するインフラ外の施設は詳細設計と工事を実施。来年度2024年度内の開業に向けインフラ外工事を進める。事業進捗率(建設費ベース)は2023年度で24.6%にすることを目指す。
北港テクノポート線はコスモスクエア~夢洲(仮称)~新桜島(仮称)の7.5kmを結ぶ新線計画。事業は長らく凍結されていたが、大阪・関西万博が夢洲地区で開催されることが決まったのを受け、会場アクセス輸送のためコスモスクエア~夢洲の南ルート3.2kmのみ事業を再開している。
鉄道事業法に基づく現行計画では、OTSが線路を保有して列車を運行する第1種鉄道事業者。ただし南ルート開業時にはOTSとは別の鉄道運行者が第2種鉄道事業者としてOTSから線路を借り入れ、列車を運行することが想定されている。このため、南ルートの開業前にOTSが事業基本計画変更の認可を受けるとともに、鉄道運行者が第2種鉄道事業の許可を受ける必要がある。
コスモスクエア駅で大阪メトロ中央線と接続して直通運転が行われることから、大阪メトロが鉄道運行者(第2種鉄道事業者)になるとみられる。
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