北港テクノポート線の南ルート「鉄道運行者」来年度にも鉄道事業許可を申請へ



北港テクノポート線のルート(赤)。コスモスクエア~夢洲間の「南ルート」について「鉄道運行者」が第2種鉄道事業許可を申請する。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット編集部】

2025年日本国際博覧会(大阪万博)の会場アクセス路線として工事中の「北港テクノポート線」(大阪市住之江区・此花区)について、列車を運行する事業者が来年度2022年度にも鉄道事業許可を申請することが分かった。

北港テクノポート線は、大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅から大阪湾の人工島「夢洲」「舞洲」を経て新桜島駅(仮称、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン=USJの北西)に至る7.5kmの鉄道新線。大阪市の第三セクター「大阪港トランスポートシステム」(OTS)が2000年、第1種鉄道事業(線路を保有して列車を運行する事業)の許可を受けた。インフラ部(おもな線路など)は大阪市が建設し、インフラ外部(駅施設など)はOTSが建設する。

コスモスクエア駅と夢洲駅(仮称)を結ぶ海底トンネル(夢咲トンネル)が2009年までに完成したほかは、工事が長らく凍結されていた。夢洲に統合型リゾート(IR)を整備する構想が浮上したのに加え、大阪万博会場を夢洲に設けることが決まったのを受け、コスモスクエア~夢洲間3.2km(南ルート)のみ昨年2020年に工事が再開された。同ルートは2024年度の開業(2025年の大阪万博開催前)を予定している。

OTSが今年2021年7月に大阪市に提出した中期計画(2021年4月1日~2025年3月31日)などによると、列車を運行する「鉄道運行者」が南ルートの第2種鉄道事業(ほかの鉄道事業者から線路を借りて列車を運行する事業)の許可を2022年度中に申請する。一方、OTSは第1種鉄道事業者のまま「鉄道運行者」に線路を使わせるため、南ルートについて事業基本計画変更認可を申請する。

2024年度には建設費用を確定し、OTSが線路使用条件を申請。鉄道運行者も同時期に運賃の認可を申請する予定だ。

中期計画では鉄道運行者の名前を明らかにしていないが、コスモスクエア駅で大阪メトロ中央線と接続して直通運行が行われることから、大阪メトロが鉄道運行者として第2種鉄道事業許可を申請する公算が高い。その場合、北港テクノポート線の南ルートは大阪メトロ中央線に編入される形になるとみられる。

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