宇都宮ライトライン開業で「道路交通が減少」パーク&ライドも寄与



宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)「ライトライン」の開業で道路交通も変化している。栃木県や宇都宮市、芳賀町、宇都宮大学などで構成される宇都宮市東部地域渋滞対策協議会が鬼怒通りの交通量調査では、鬼怒通りで自動車などの交通量がライトラインの開業前より減少している。

鬼怒通りに合流するライトライン(開業前の試運転)。【撮影:草町義和】

調査は昼間12時間で実施。開業前の2021年10月21日が1万7212台だったのに対し、開業後の2023年9月14日は1600台ほど少ない1万5604台だった。時間帯別では朝夕ラッシュ時で減少幅が大きくなっており、渋滞の緩和につながっているとみられる。一方で西方向の13~14時台と東方向の9時台と11時台、14~15時台は逆に増えている。

協議会は今後、交通量の減少理由などの確認のため広域・継続的な調査分析を行う考えだ。

鬼怒通りの柳田大橋(ライトライン開業前)。【撮影:草町義和】

ライトラインでは自動車から公共交通への乗り換えを促進するため「パーク&ライド」を導入。一部の停留場に駐車場を整備し、開業後も増設している。宇都宮市は2024年1月9~11日に駐車場の利用状況を調査。1日平均の利用率は平石停留場(46台)が78%、清原地区市民センター前停留場(85台)が73%、飛山城跡停留場(45台)と芳賀町工業団地管理センター前停留場(55台)が各47%だった。

各停留場に設けられた駐車場の利用状況(2024年1月9~11日)。【画像:宇都宮市】

駐車場の利用者アンケートでは自動車からの転換が約8割で、目的地を宇都宮駅周辺(経由含む)とする人も約8割いて、宇都宮市は自動車からの転換促進や沿線外の利用者獲得、都心部への自動車の流入抑制に寄与していると推察している。

駐車場は今後も整備され。平石停留場に144台分を整備し、芳賀町工業団地管理センター前停留場にも20台分を整備する予定だ。宇都宮市は引き続き利用状況を把握し、必要に応じて利用環境の充実を図る考えだ。

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