博多南線の特急料金「初の値上げ」山陽新幹線の回送線を活用した通勤路線



JR西日本は9月2日、博多南線・博多~博多南(福岡県)の特急料金を値上げすると発表した。同線の特急料金が値上げされるのは1990年の開業以来、初めて。

博多南駅を発車した「在来線特急」扱いの新幹線700系。【画像:マンハッタン/写真AC】

値上げは来年2023年4月1日購入分から実施される予定。現在の自由席特急料金は100円だが30円値上げされて130円に。博多~博多南の運賃・料金合計額は現在の300円から330円に変わる。指定席特急料金はもともと設定されていない。

これに伴い通勤定期も値上げされ、博多~博多南の運賃・料金合計額は1カ月が1万620円(840円値上げ)、3カ月が3万270円(2380円値上げ)、6カ月が5万3790円(4500円値上げ)になる。通学定期は据え置く。

博多南線は博多駅と山陽新幹線の車両基地(博多総合車両所)に隣接する博多南駅の8.5kmを結ぶ鉄道路線。1975年の山陽新幹線の全線開業時、博多総合車両所の回送線として使用開始した。その後、回送線を通勤路線として活用する計画が浮上。旅客駅の施設などを追加で整備し、1990年4月1日に開業した。

営業上は在来線扱いだが車両は山陽新幹線のものが使われており、すべての営業列車が特急扱い。開業時は運賃が190円、特急料金が100円の合計290円で、200円台で乗れる新幹線として話題になったこともある。現在の運賃は消費税率の引き上げにより200円だが、特急料金は開業以来100円のままだった。

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