JR西日本の特急「値上げ」A料金に統一、新幹線・在来線特急の乗継割引も一部廃止



JR西日本は9月2日、在来線特急料金を一部見直すと発表した。同社は「コロナ禍の厳しい経営状況の長期化やデジタル化の進展等の社会変容」を踏まえるとし、一部線区の値上げなどを行う。

七尾線に乗り入れている特急「能登かがり火」。【画像:nozomi500/写真AC】

JR西日本の所定の特急料金はA特急料金とB特急料金の2種類あり、発売額はB特急料金がA特急料金より安い。見直しではA特急料金に統一される。

現在、B特急料金が適用されている線区のうち特急列車が運転されているのは七尾線、山陰本線・京都~浜坂、舞鶴線、福知山線、播但線、JR京都線、JR神戸線、大阪環状線、阪和線、関西空港線、きのくに線・和歌山~新宮。これらの線区では指定席特急料金(通常期)の場合、50kmまでの区間が100円値上げの1290円、100kmまでの区間が200円値上げの1730円、401km以上は430円値上げの3490円になる。特急用定期券「パスカル」の特急料金相当額も見直す。

一部の区間で設定されている割安な特定特急料金も値上げされる。津幡~和倉温泉の51km以上の区間は自由席特急料金が100円値上げの760円に。山陽新幹線の車庫線を営業路線として活用し全列車が特急扱いの博多南線は特急料金が30円値上げされて130円になる。同線の通勤定期も値上げされるが、通学定期は据え置く。

このほか、新幹線と在来線特急列車の乗継割引も見直し。山陽新幹線・岡山~新下関の新幹線停車駅で、新幹線と在来線特急列車を乗り継ぐ場合に適用される乗継割引が廃止される。

値上げは来年2023年4月1日購入分からの予定。ただし乗継割引の廃止は4月1日乗車分から実施される。また、宇野線・本四備讃線(瀬戸大橋線)の岡山~児島や同区間とJR四国内にまたがる場合の50kmまでの自由席特急料金(500円→見直し後760円)はJR四国の運賃改定実施日(2023年春予定)の購入分から値上げされる。

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