大阪メトロ中央線に「将来の谷町線用」30000A系導入 「万博」輸送力を確保



大阪メトロは12月9日、30000A系を導入すると発表した。10年前の2011年に御堂筋線に導入された30000系の改良型。まず中央線で運行する。

30000A系のイメージ。【画像:大阪メトロ】

車体形状は御堂筋線の30000系と同じだが、外装は白・アースグレー・緑色のスパークルドットでデザインする。白は「街ゆく人々」、アースグレーは「街並み」、緑色は「Osaka Metroの車両」を表現。中央線のラインカラーである緑色を残しつつ斬新なデザインにしたという。

車内座席の表布は背もたれと座面で色を変え、背もたれをゴールドイエロー、座面をターコイズブルーとした。下方に重心を置くことで「明るく軽やかに、そしてさわやかな車内」になるようにしたという。外装で採用するスパークルドットもアレンジして車内のデザインに採用。「新しい未来を感じさせるワクワク感」を演出するとしている。

30000A系の車内イメージ。【画像:大阪メトロ】

ドア付近のスペースは座席の配置を変えることで拡大(1両につき6カ所)し、大きな荷物を持っている客も利用しやすくするという。荷物棚はすべての車両で高さを100mm下げる。車内照明はLEDを採用。脱臭や除菌、PM2.5抑制、花粉・ダニ等のアレルギー物質の抑制に効果がある空気浄化装置を全車両に設置する。

車内案内装置はドア上部に2台のワイド液晶ディスプレイを設置する。日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応。2画面構成で乗換案内や駅設備案内などを表示する。すべての車両に車内Wi-Fiと防犯カメラを導入する。

床の高さは40mm下げてホームとの段差を縮小。ドア部の床に黄色のラインを入れてドアの位置を分かりやすくしたほか、ドアの開閉をチャイムとドア上部のランプの点滅で案内する。優先座席部のつり革・手すりをオレンジ色にし、背もたれを一般座席と異なる色にすることで優先座席を識別しやすくする。このほか、開いているドアの位置を案内する誘導鈴も設置する。

30000A系の先頭部や側面のイメージ。【画像:大阪メトロ】

30000A系は6両編成10本が導入される計画で、2022年7月に運行開始する予定。当初は中央線を走る。同線には2023年4月に新型車両の400系が運行開始の予定だが、400系は既存車両の更新が目的で、2025年に開催される大阪万博の輸送力確保には対応していない。このため30000A系を中央線に導入して輸送力を確保し、万博終了後は30000A系を谷町線に転用する計画だ。

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