南海高師浜線「3年運休」5月22日から 踏切を先に解消、南海本線は高架化完了へ



南海電鉄と大阪府、高石市は3月18日、高石市内の南海本線・高師浜線の高架化について、5月22日に南海本線の高架化が完了すると発表した。高師浜線は同日から運休し、バスによる代行輸送を実施。踏切を先に解消してから高架化工事を進める。

羽衣駅の高架上りホーム。【画像:南海電鉄】

南海本線は5月22日の始発から、上り線(難波方面)を高架線に切り替える。下り線(関西方面・和歌山市方面)は2016年5月に高架化されており、羽衣駅と高石駅の高架化も完了する。

羽衣駅で南海本線から分岐する高師浜線は伽羅橋~高師浜間が高架化済みで、羽衣~伽羅橋間の高架化が計画されている。同線の高架化は踏切の先行解消や工事費軽減、工期短縮を図るため、列車を走らせながら工事を行う方式ではなく、路線自体を運休して高架化工事を行う方法を採用。5月22日の始発から高架化工事が完了するまでの約3年間、代行バスを運転する。運行本数は現在の高師浜線に準じるが、朝夕のラッシュ時には運行本数を増やす。

高石市内の南海本線・高師浜線の高架化区間(赤)。南海本線の高架化は5月22日に完了し、高師浜線は同日から運休して高架化工事を進める。【画像:国土地理院地図/加工:鉄道プレスネット編集部】

羽衣駅には、鉄道駅の改札内コンコースと専用通路でつながった代行バス停留所「(代行)羽衣駅」を高架下に設ける。伽羅橋駅の代行バス停は、高師浜線と交差する府道阪堺南線の南北2カ所に「(代行)伽羅橋(北)駅」と「(代行)伽羅橋(南)駅」を設置。高師浜駅の代行バス停は、府立臨海スポーツセンター敷地内に「(代行)高師浜駅」を設ける。

高架下に設けられた羽衣駅の代行バス停。【画像:南海電鉄】

これに伴い、羽衣駅の専用通路内に代行バスと南海線の乗換専用改札を設置。伽羅橋駅乗降用の自動改札機と高師浜駅乗降用の自動改札機をそれぞれ設ける。バス車内での運賃収受は線内の伽羅橋~高師浜間(大人片道160円)のみ現金で行う。

南海本線の高架化完了と高師浜線の運休により、13カ所の踏切が解消される。

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