東急「ザ・ロイヤルエクスプレス」JR北海道で運行 一人68万円



東急は1月14日、東急の観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」の北海道での運行計画の概略と旅行プランを発表した。8月14日から9月18日までの約1カ月間、定員30人として計5回運行する予定だ。

観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」。【画像:Jun Kaida/PIXTA】

札幌発着の3泊4日で、JR北海道の千歳線や石勝線、根室本線、釧網本線、石北本線、函館本線を走る。運行区間とスケジュールは次の通り。カッコ内は「ザ・ロイヤルエクスプレス」の2次アクセス用に開発された豪華バス「THE ROYAL BUS(ザ・ロイヤルバス)」で移動する。

●1日目
札幌11時00分頃発→池田16時25分頃着(→十勝川温泉宿泊)

●2日目
(十勝川温泉→)釧路10時25分頃発→知床斜里15時05分頃着(→知床ウトロ宿泊)

●3日目
(知床ウトロ→)知床斜里8時50分頃発→北見(→)遠軽→旭川15時30分頃着(→富良野宿泊)

●4日目
(富良野→)旭川11時10分頃発→札幌15時00分頃着

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の北海道での運行ルート。【画像:東急】

ツアーは2月10~16日に「ザ・ロイヤルエクスプレス」のリピーター向けの先行販売を行い、一般販売は2月17日~3月10日の予定。旅行代金は一人あたり68万円になる。

■国鉄荷物車も復活

「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、2017年にデビューした、東急の企画による伊豆半島向けの観光列車。伊豆急行2100系5次車を「ザ・ロイヤル・エクスプレス」用に改造した電車を使っており、通常はJR東日本の東海道本線・伊東線と伊豆急行線を走って横浜~伊豆急下田間で運行されている。

北海道での運行構想は、経営が悪化しているJR北海道の救済策として浮上。一部の区間を除いて電車が走れない非電化路線のため、ディーゼル機関車が「ザ・ロイヤルエクスプレス」と電源車1両(マニ50形のマニ50 2186)をけん引して走る。

マニ50形は国鉄時代の1977年から1982年にかけて製造された荷物車で、マニ50 2186は1980年7月7日に完成した。国鉄の荷物輸送の廃止で使い道を失ったが、同車を引き継いだJR東日本が特急形電車485系の団体・臨時列車用の車両「リゾートエクスプレスゆう」に改造した際、「リゾートエクスプレスゆう」がディーゼル機関車けん引で非電化区間を走るための電源車として改造された。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の電源車になるマニ50 2186。【画像:tarousite/PIXTA】

「リゾートエクスプレスゆう」は2018年9月に廃車。マニ50 2186も廃車されるとみられていたが、「ザ・ロイヤル・エクスプレス」の電源車として復活することになり、改造のため東急電鉄の工場に搬入された。3月中には完成し、北海道に貨物列車扱いで搬入されるとみられる。「ザ・ロイヤルエクスプレス」の北海道への搬入時期はまだ決まっていない。