東京モノレール「25年ぶり」運賃改定を申請、浜松町~羽田空港は20~45円値上げ



東京モノレールは3月17日、鉄道旅客運賃の変更認可を国土交通大臣に申請した。認可された場合、東京モノレールは来年2024年3月に運賃を値上げする。消費税率の変更によるものを除くと、同社の運賃改定は1999年以来25年ぶり。

東京モノレールの列車。【撮影:草町義和】

全体の改定率は10.8%で、10.6%の増収を見込む。普通旅客運賃の平均改定率は11.5%。初乗り運賃はいまより20円の値上げで、切符が160円→180円、ICカードが157円→177円になる。それ以外の区間の運賃は切符が20~40円、ICカードが27~45円の値上げ。

モノレール浜松町~羽田空港内の各駅の場合、現行運賃は切符500円・IC492円だが、改定後は切符520円・IC519円になる。

定期運賃の平均割引率は通勤定期で現行49.6%を47.8%に引き下げる。ただし3・6カ月の計算方法は変更しない。通学定期は家計負担に配慮して運賃を据え置くとしており、割引率は現行75.5%から78.1%に引き上げられる。

通勤定期旅客運賃の大人1カ月の場合、現行の実施運賃に比べ970~3320円の値上げ。現行の認可運賃の上限との比較ではモノレール浜松町~羽田空港が320円の値下げだが、2019年に上限運賃の範囲内での値下げを行っているため、実際は3320円の値上げだ。平均改定率は現在の上限運賃との比較で16.1%、実施運賃との比較では25.5%になる。

普通旅客運賃と通勤定旅客運賃の現行額と申請額。【画像:東京モノレール】

東京モノレールによると、新型コロナウィルス感染症の影響などで利用者数は大幅に減少しており、2021年度の利用者数は新型コロナの影響がなかった2018年度の約50%(約2528万人)まで減少した。テレワークなど新しい生活様式の定着もあり、2022年度も利用者数は2018年度の7割弱にとどまっている。同社は経営合理化を推進し、固定費の削減や生産性の向上に努めているが、外部要因による費用の上昇もあり、厳しい事業環境が続いている。

一方で安全・安定輸送の確保と施設の老朽化対策として支柱や線路の更新などを計画的に実施する必要があり、新車両(10000形)への更新や新しいICチケットの導入、浜松町駅の改良やバリアフリー設備の拡充など、利便性の向上にも投資が必要。現在の運賃水準では中長期的な事業運営は困難で、運賃改定を申請することにしたという。

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