越美北線の定期券で「並行路線バスを割引」列車がない時間帯を補完



JR越美北線(福井県)の定期券を持っている人に限り、同線に並行する路線バスを安く利用できる割引制度の実証事業が10月1日から始まった。列車が運行されていない時間帯も並行路線バスを安く利用できるようにすることで鉄道・バス双方の利用者を増やし、公共交通の活性化を目指す。

越前大野駅に停車中の越美北線の列車。【画像:ペイ/写真AC】

この割引制度が適用されるのは京福バス大野線。福井駅停留所で乗車し、指定された停留所で降車すると400円で利用できる。指定降車停留所は越美北線・越前高田~越前大野のエリア。福井駅→指定降車停留所の所定運賃は710~1040円で、割引制度を使うと最大640円安くなる。

割引制度を利用する場合、福井駅東口の京福バスチケットセンターか大野市役所の交通住宅まちづくり課で越美北線の定期券を提示し、割引利用券を発行してもらう必要がある。1回の発行枚数は5枚。バス降車時に越美北線の定期券を提示したうえで整理券と割引利用券、割引運賃(400円)を運賃箱に投入する。

割引制度の当面の実施期間は10月1日から来年2024年3月31日までだが、4月以降も継続する予定。ただし福井県の補助金を活用して実施しているため、予算がなくなり次第終了する。

越美北線の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

越美北線は北陸本線の越前花堂駅と九頭竜湖駅を結ぶ52.5kmのJR線。列車は北陸本線に乗り入れて福井~九頭竜湖を結んでいる。

下り列車の運行本数は福井発9・12・14・16・18~21時台の8本。夕方から夜にかけての17時台と22時台は列車が運行されてない一方で京福バス大野線のバスが運行されており、越美北線の運行本数の少なさを補完している格好だ。福井県は「(鉄道とバスを)相互に利用すればダイヤの選択肢が増え、利用しやすくなります」とアピールしている。

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