ハピラインふくい運賃「現行の1.15倍」に 福井~武生は50円値上げ



北陸新幹線の延伸開業にあわせて並行在来線の福井県内区間を引き継ぐ第三セクター「ハピラインふくい」は10月2日、鉄道旅客運賃の上限設定を国土交通省の中部運輸局長に申請した。実際に設定する運賃(実施運賃)は一部を上限額より安くする。

ハピラインふくいが引き継ぐ北陸本線の福井駅。【撮影:草町義和】

ハピラインふくいが引き継ぐのは営業上、北陸本線・大聖寺~敦賀の84.3km。運賃の上限額は普通旅客運賃が現行のJR西日本運賃の1.2倍で、定期旅客運賃は通勤が1.2倍、通学が1.05倍になる。一方、認可後に届け出る予定の実施運賃は、普通旅客運賃と定期旅客運賃(通勤)が1.15倍に抑えられる。

実施運賃ベースでは、普通旅客運賃が初乗りで現行150円のところ20円値上げの170円。芦原温泉~福井や福井~武生は380円で50円値上げされる。福井~敦賀は150円値上げの1140円、大聖寺~敦賀は230円値上げの1750円。定期旅客運賃は通勤1カ月の場合、福井~武生で1490円値上げの1万1390円になる。

現行のJR運賃とハピラインふくい運賃(上限)の比較。【画像:ハピラインふくい】
現行のJR運賃とハピラインふくい運賃(実施)の比較。【画像:ハピラインふくい】

ハピラインふくいの路線とIRいしかわ鉄道線、JR線をまたいで利用する場合の乗継割引も設定される予定だ。ハピラインふくいは会社ごとの運賃を合算することで割高になる場合があることから、利用者の負担軽減のため設定するとしている。

ハピラインふくいの車両のデザイン。【画像:ハピラインふくい】

北陸新幹線は来年2024年3月16日に金沢~敦賀が延伸開業する予定。並行在来線の北陸本線はJR西日本から経営分離され、福井県寄りの大聖寺~敦賀をハピラインふくいが引き継ぐ。石川県寄りの金沢~大聖寺はIRいしかわ鉄道が引き継ぐ計画で、同社も今年2023年10月2日に鉄道旅客運賃の上限設定を申請。認可後に届け出る予定の実施運賃も上限運賃より安くする計画だ。

《関連記事》
金沢駅またぐ区間の一部「値下げ」IRいしかわ鉄道、経営区間の拡大に向け運賃申請
ハピラインの車両・駅名標「デザイン」発表 福井県内の北陸本線引き継ぐ三セク