西武鉄道もJR東日本と「技術協力」開発コストの低減など目指す



JR東日本と西武鉄道は10月5日、「鉄道技術分野における覚書」を締結したと発表した。両社は技術分野での協力により「スマートな事業運営」を目指すとしている。

西武多摩川線の列車から見えるJR中央線の快速列車(右)。【撮影:草町義和】

覚書は9月28日付で締結された。発表によると幅広い技術分野で協力、研究することで新技術の導入時に仕様の共通化を図るなど、設備導入のスピードアップや開発コストの低減に取り組むという。

発表ではこれまでの取組について、JR東日本は軽量型ホームドア(スマートホームドア)の導入推進や無線式列車制御システム(ATACS)の導入、自動列車運転装置(ATO)の高性能化などを挙げ、現在は首都圏主要線区でのワンマン運転に向けた準備や将来のドライバーレス運転の導入に向けた開発を進めているとしている。

一方、西武鉄道はホームドア整備の加速や安全性・安定性の高い信号保安装置の導入、ワンマン運転エリアの拡張などの実現に向けた取組を進めているとしている。こうしたことからホームドアやワンマン運転での技術協力が中心になるとみられる。JR東日本と西武鉄道は「両社が持つ技術・ノウハウを活用し、安全で安定した輸送サービスを提供し続けるため、協力を一層強化して取り組んでまいります」としている。

JR東日本が開発した軽量型のスマートホームドア。【撮影:草町義和】
ワンマン運転が行われている西武多摩川線。【撮影:草町義和】

JR東日本は1月にも東武鉄道と覚書を締結。運転士が乗務しない自動運転(ドライバーレス運転)の実現に向け協力して検討を進めるとしている。

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