伊豆箱根鉄道「踊り子」特急料金を設定 値上げと値下げ、両ケース



伊豆箱根鉄道は11月12日、駿豆線の三島~修善寺間(静岡県)に乗り入れているJR特急「踊り子」について、来年2021年春から特急料金を設定すると発表した。利用の仕方によって、値上げになるケースと値下げになるケースがある。

来春から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り入れるE257系リニューアル車。【画像:伊豆箱根鉄道】

新たに設定される駿豆線内の特急料金は、大人200円・子供100円の均一制。JR線と駿豆線をまたがって「踊り子」に乗る場合、JR特急料金と駿豆線特急料金の合算になる。

所定の運賃・料金は、三島~修善寺間が運賃520円と料金200円で720円。東京~修善寺間は乗車券がJR運賃2310円と駿豆線運賃520円の合算で2830円、特急券もJR特急料金(事前購入)1580円と駿豆線特急料金200円の合算で1780円、合計4610円になる。

駿豆線内の特急券は、三島・三島田町・大場・伊豆長岡・大仁・修善寺の各駅窓口で発売。このうち三島田町駅と大仁駅は「踊り子」発車時刻の一定時間のみ発売される。

「踊り子」は国鉄型特急車両の185系を使用し、駿豆線に1日2往復(土曜・休日は増便)乗り入れている。駿豆線内では特急料金が設定されておらず、現在は運賃だけで乗車できる。

来年2021年春からは、「踊り子」の車両がE257系電車のリニューアル車に変わる。同時に新しい着席サービスも導入。座席は全席指定になり、自由席は設けられない。このため指定席特急券の購入が必要だが、座席未指定の特急券を購入すれば、空席がある場合に限り座ることができる。

E257系リニューアル車の普通車。【画像:伊豆箱根鉄道】

これに合わせ、駿豆線の特急料金が新たに設定されるほか、JR特急料金も変更。駿豆線内のみ「踊り子」を利用する場合は運賃のほか特急料金も払う必要が生じ、事実上の値上げになる。一方、JR線と駿豆線をまたいで乗る場合、東京~修善寺間の特急料金(事前購入)は、現行の自由席(1440円)に比べ340円の値上げだが、指定席(通常期、1970円)との比較では190円の値下げになる。