都営三田線に新型「6500形」納入 2両増の8両編成、都営地下鉄初の車両情報管理装置



東京都交通局は10月29日、三田線に新型車両の6500形電車を導入すると発表した。最初の編成が11月に納入され、2022年度から営業運転に投入。現在の6300形電車を順次置き換える。

近畿車両で完成した6500形の最初の編成。【画像:東京都交通局】

6500形は8両編成13本が製造される計画。現在の6300形電車など三田線で運用されている車両は6両編成で、いまより2両多くなる。交通局は車両を増やすことで輸送力が増強され、利便性が向上するとしている。

車内デザインはユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「人にやさしい車両」とし、車椅子やベビーカー、大きな手荷物を持っている客にも利用しやすいよう、すべての車両にフリースペースを設置する。また、ラッシュ時にスムーズな乗り降りができるよう、乗降口脇のスペースを広くする。つり手は手すりの数を充実させるとともに、低いつり手や荷物棚を設置する。

座席は幅を広くするとともに、大型化した見通しの良い仕切りを採用。多言語対応の液晶モニターも設置し、訪日外国人への案内を充実させる。手持ちのモバイル端末で移動中に必要な情報が入手できるよう、地下鉄車内で無料の公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを提供する。このほか、防犯対策として全車両に防犯カメラを設置する。

6500形の車内。【画像:東京都交通局】

車内照明はLEDを採用。モーターの制御装置にはSiC素子を適用したVVVFインバーターを採用し、省エネルギー化を図る。また、走行中に車両の各装置の動作情報を車両基地に伝送できる車両情報管理装置を、都営地下鉄では初めて搭載するという。

関係者によると、近畿車両が受注した6500形の最初の編成は既に完成しており、10月31日の午後にも同社工場(大阪府東大阪市)を出発する模様だ。機関車けん引の貨物列車扱い(甲種輸送貨物列車)で東海道本線などを走り、11月2日未明には武蔵野線の越谷貨物ターミナル駅(埼玉県越谷市)に到着し、交通局に納入される見込み。その後、交通局は試験調整などを行い、2022年度からの営業運転開始に向け準備を進める。