JR東日本と東武鉄道「自動運転」開発で協力 導入加速化とコスト軽減目指す



JR東日本と東武鉄道は5月24日、運転士が乗務しない自動運転「ドライバーレス運転」の実現に向け、協力して検討を進めると発表した。両社は1月に覚書を締結した。

JR山手線と東武大師線の列車。【撮影:草町義和】

JR東日本は現在、将来のドライバーレス運転(運転操作を行わない添乗員が乗務する自動運転:GoA3)の実現に向け、無線式列車制御システム(ATACS)の導入や高性能な自動列車運転装置(ATO)などの開発を進めている。

10月頃から2カ月程度、山手線の営業列車で自動運転を目指した実証実験を実施し、性能の確認や知見の蓄積を行う計画。車両前方にステレオカメラを搭載して障害物をリアルタイムで自動検知するシステムも開発中で、2023年度から営業列車に搭載してデータの蓄積や機能改善を図る方針だ。

東武鉄道は2023年度以降、東武大師線で添乗員付き自動運転を実施する方針。2021年9・10月、試験車両による前方支障物検知システムの検証試験を日中時間帯に実施し、今年2022年2月には夜間時間帯に明るさの条件を変えて実施した。本年度2022年度は前方支障物検知システムを仮設搭載し、営業運転車両で検証試験を実施する計画だ。

自動運転のレベル。【画像:JR東日本・東武鉄道】

JR東日本と東武鉄道はドライバーレス運転や保安装置の仕様の共通化などによって、導入の加速化や開発コストの軽減を目指す。

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