東急電鉄の検測車「TOQ-i」に乗車できる企画 「再エネ」アピールCFの返礼品



慶應義塾大学の学生が「東急電鉄が再エネで走っていることを広めたい」と題したクラウドファンディング(CF)を始めた。東急線が再生可能エネルギー(再エネ)に由来する電力だけで運行されていることをアピールするモザイクアートの制作資金を調達する。東急電鉄がこのCFを支援し、検測車に乗車するコースなどを返礼品として企画した。

東急電鉄の7500系「TOQ-i」。【画像:東急】

返礼品は募金額に応じてステッカー(3000円)や文房具グッズ(5000円)などが設定されている。検測車の乗車コースは募金額が20万円で、7500系電車「TOQ-i(トークアイ)」に3人まで招待する。ほかにも「東急電鉄の車両工場見学コース」(10万円)や「三軒茶屋駅駅長体験&電車とバスの博物館2時間貸切コース」(15万円)が返礼品として企画されている。

募金はCFサイト「For Good(フォーグッド)」で受け付けている。目標金額は100万円で、9月12日16時時点の支援総額は14万7000円。

モザイクアートは1万枚の写真を集めて制作する。10月以降、東急電鉄ウェブサイトなどで募集。来年2024年3月以降、東急線の駅で掲出される予定だ。

「TOQ-i」乗車コースのほかにも車両工場の見学コースなどが返礼品として設定されている。【画像:東急】

「TOQ-i」は1998年に製造されたサヤ7590と2012年に製造されたデヤ7550・デヤ7500の合計3両で構成される検測車。線路や架線、信号装置などの状態を走りながらチェックする。業務用のため一般客は通常乗ることができない。

東急線の運行で使われている電力は2019年3月、世田谷線が100%再エネ由来に切り替えられた。2022年4月からは東横線や田園都市線などほかの7路線も再エネ由来の電力だけで運行されている。

CFを企画した学生は東京都環境局の選定事業「DO!NUTS TOKYO」のアンバサダー。学生によると、高校生のころに「高校のグラウンドが台風で水没し、部活動ができなくなったり体育祭が中止になったりした」経験から気候変動に関心を持つように。「東急電鉄=再エネ」を消費者の立場からアピールするため、モザイクアートの制作を企画したという。

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