配給電車「クモル145」「クル144」本年度中に引退 京都鉄道博物館で最後の展示



2021年度中に引退することが決まった配給電車のクモル145形・クル144形。【画像:京都鉄道博物館】

JR西日本が運用している配給電車のクモル145形・クル144形(クモル145-1015+クル144-15)が、本年度2021年度中に引退することが決まった。京都鉄道博物館は営業路線とつながっている館内の引込線を活用し、クモル145形・クル144形の「最終展示」を行う。

展示期間は8月6~18日。初日の8月6日は14時30分から、館内の引込線に入線する様子を公開する。配給物の積み下ろし実現(8月8日10・14時)や幕回し・双頭連結器の実演(8月7・8日13・15時)、パンタグラフの上昇シーン公開(8月7日13時30分)を行う。最終日の8月18日14時からは、「お別れセレモニー」として引込線から出発するシーンを見学できるようにする。

これにあわせて「グッズ付き入館券」(一般1800円)と「車両貸切見学&グッズ付き入館券」(同4700円)が発売される。いずれもクモル145形・クル144形をデザインしたクリアファイルが付く。

「車両貸切見学&グッズ付き入館券」は、運転台や荷台などを5分間見学できるチケットも付く。車両貸切見学の実施日は8月12~17日の10時30分~12時と13時30分~16時30分。30分ごとの時間指定制だ。

販売数は「グッズ付き入館券」が350枚、「車両貸切見学&グッズ付き入館券」が150枚。いずれも8月1日の0時から、予約サイト「アソビュー!」で販売される。

左に見える青い車両がクル144-15。【撮影:草町義和】

クモル145形・クル144形は、工場から車両基地へ車両の部品などを運ぶための配給電車。国鉄時代の1979年から1981年にかけ、通勤電車101系の改造車扱いで32両(2両編成16本)が製造された。先頭部を除いて屋根のない無がい貨車のような荷台が設けられているのが特徴だ。

国鉄分割民営化時にはJR東日本とJR西日本が引き継いだが、部品輸送がトラックに切り替わるなどしたため順次引退し、JR東日本が引き継いだ車両は2008年までに姿を消した。JR西日本の車両も現在はクモル145-1015+クル144-15の2両編成1本だけになった。この編成の京都鉄道博物館での展示は過去にも行われているが、同館によると今回の展示が一般向けとしては最後。この編成の引退により、JRグループの配給車はすべて引退になるという。

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