西武新宿線の特急10000系「新たな車両」に更新へ 列車種別の変更も視野に検討か



西武鉄道は新宿線の特急列車で運用している10000系電車「ニューレッドアロー(NRA)」について、新しい車両に置き換える方針を決めた。列車種別の変更も視野に入れ、有料着席サービスの一新を図るとみられる。

10000系「NRA」で運行されている西武新宿線系統の特急「小江戸」。【画像:SK1100/写真AC】

西武鉄道は5月9日に発表した本年度2024年度の鉄道事業設備投資計画で、「2025年度以降に予定している事業」の一つとして「新宿線 有料着席サービスの刷新」を盛り込んだ。それによると、新宿線の特急列車で運用している「NRA」を「新たな車両」に置き換えるという。「新たな車両」の運行開始は2026年度中の予定としている。

西武鉄道は設備投資計画で「(「NRA」を)今後新たな車両へ置き換えるとともに、有料着席サービスの刷新を検討しています。柔軟な運行形態やお客さまの着席機会の拡充など、サービス向上を図ります」としており、新宿線の特急列車を「新たな車両」に更新するとはしていない。特急列車のまま車両を更新するだけでなく、着席保証型の通勤列車に種別変更したうえで「新たな車両」を導入することも視野に入れているとみられる。

西武鉄道は現在、池袋線系統と新宿線系統で特急列車を運行。乗車には運賃のほか特急料金を追加で払う必要がある。

池袋線系統では2019年にデビューした新型の001系電車「ラビュー」で特急「ちちぶ」「むさし」を運行している。新宿線系統では特急「小江戸」を運行。1993年から2003年にかけ84両(7両編成12本)が製造された「NRA」を使用しているが、「NRA」は1995年までに製造された車両が「ラビュー」導入に伴い引退済み。現在残っているのは1995年から2003年に製造された35両(7両編成5本)だ。

池袋線系統の特急で運用されている001系「ラビュー」。【撮影:未来鉄道データベース】
40000系で運行されている新宿線系統の着席保証型通勤列車「拝島ライナー」。【画像:西武鉄道】

一方、西武鉄道はロングシートとクロスシートの両方に転換できる座席を設置した40000系通勤型電車を使用した、着席保証型の通勤列車も運行。池袋線系統で「S-TRAIN」、新宿線系統では「拝島ライナー」として運行されている。乗車には運賃に加え座席指定料金を別途払う必要がある。

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