多摩モノレール延伸に調査費 「鉄道ない市」経由、東京都の2020年度予算案



多摩モノレールの列車。【撮影:草町義和】

東京都がこのほどまとめた2020年度予算案に、「多摩都市モノレールの整備」が建設局の新規事項として盛り込まれた。多摩都市モノレール線(多摩モノレール)・上北台~箱根ケ崎間の延伸の事業化に向けた調査を行う。

ルートは現在の多摩モノレールの北側の終点・上北台駅(東京都東大和市)から左にカーブして新青梅街道上を西へ進み、JR八高線の箱根ケ崎駅(瑞穂町)に連絡する約7km。途中、離島を除く東京都内の市区町村では鉄道が唯一通っていない武蔵村山市を通る。全体の事業費は約800億円と想定されている。

東京都は2020年度予算案で1億1600万円を計上し、現況調査や基本設計などに着手する方針だ。

多摩モノレールは、多磨エリアを南北に縦断して上北台駅と多摩センター駅(東京都多摩市)を結ぶ、16.0kmの跨座式モノレール。東京都の第三セクター・多摩都市モノレールが運営している。1998年から1999年にかけて現在の路線が開業した。

2016年にまとめられた東京圏の鉄道整備構想(交通政策審議会答申第198号=交政審198号答申)では、多摩モノレールの延伸構想として上北台~箱根ケ崎間、多摩センター~八王子間、多摩センター~町田間の3区間が盛り込まれた。

このうち上北台~箱根ケ崎間は、モノレールの高架軌道桁を整備するための空間となる道路の整備が進んでいる。交政審198号答申も「事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において具体的な調整を進めるべき」と具体化を前提とした意見を付けており、東京都はほかの2区間より先に整備する方針を固めた。

上北台~箱根ケ崎間の想定ルート。【画像:東京都】