三井化学大牟田工場の硝酸運ぶ専用鉄道が廃止 もと三井三池の炭鉱鉄道

総合化学メーカーの三井化学は3月3日、JR鹿児島本線と大牟田工場(福岡県大牟田市)を結ぶ専用鉄道について、5月をめどに廃止すると発表した。同社は専用鉄道を映像と音で記録する「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を立ち上げるほか、「ラストランイベント」も実施する。

「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」の展開イメージ。【画像:三井化学】

「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」では、2019年公開の映画「いのちスケッチ」などを製作した映画監督の瀬木直貴氏が「風景の資産」としてメモリアル映像を製作。完成した映像は大牟田市などに提供する。

専用鉄道の車両が発する音も記録として残すため、ASMR(人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚)音源としてアーカイブ。多くの音楽家がサンプリングとして無償で使えるよう公開していくという。アーティストのSeiho(セイホー)氏が専用鉄道の音源を活用した楽曲の制作を行う予定だ。

ラストランイベントは6月をめどに開催する予定。詳細は後日案内される予定だ。

三井化学の専用鉄道は三井三池炭鉱の専用鉄道として1891年に供用開始。現在、炭鉱はすでに閉山しているが、専用鉄道はいまも一部が残り、三菱ケミカル福岡事業所(北九州市)から大牟田工場に硝酸を運ぶために使われている。また、廃止された区間の一部跡地は2015年、炭鉱跡とともに世界遺産に登録された。

三菱ケミカルが4月末にも硝酸の生産を停止することになったため、三井化学は別の事業者から硝酸を入手することに。大牟田工場までの輸送方法が船とトラックに変わることから、専用鉄道の廃止が決まった。

現在も使われている専用鉄道の車両のなかには、1915年に三菱造船が製造した「日本最古級」(三井化学)の電気機関車も含まれている。三井化学や車両や駅舎などの今後について未定としつつ、「広く引き取りの希望などをお聞きし、協議のうえ、決定してまいります」としている。

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