新京成電鉄は11月1日、8000形電車の第8512編成が同日限りで運用を離脱することを明らかにした。これにより8000形はすべて引退する。
8000形は1978年にデビュー。1985年までに54両(6両編成9本)が導入された。新京成の車両としては電気ブレーキと冷房装置、両開きドアを初めて採用。先頭部も新京成の車両では初の非貫通型で、貫通扉は設けず大型の窓を2枚配置した。
車体の塗装は何度か変更されており、当初はキャンディピンクとマルーンの2色。のちにベージュ地と茶色の2色に変更され、これが新京成車の標準塗装となった。2014年以降はコーポレートカラーのピンクと白の2色を基本とした塗装に順次変更されたが、第8512編成は2017年、「リバイバルカラー車」としてベージュ地と茶色の旧塗装を復元した。
いずれの塗装も、先頭部の2枚窓の周囲を濃い色で塗っていたことから、タヌキの顔のようないでたちに。車両基地があるくぬぎ山にちなんで「くぬぎ山のタヌキ」などと呼ばれていた。
2011年から2020年にかけ、新型車両への更新に伴い順次廃車。リバイバルカラー車の第8512編成のみ残っていた。
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