熊本市電「新型車両」導入などでアンケート 「超低床形の多両編成車両」想定



熊本市交通局は11月1日から「市電サービス及び市電車両に関するアンケート」を始めた。熊本市電のサービス全般のほか、今後導入する新型車両への意見を募集する。

60年以上前に製造された熊本市電1090形電車。【撮影:草町義和】

回答は熊本市電のウェブサイトで受け付けている。市電の運行ダイヤや運賃、乗務員の接客などについて回答を記入。車両については、現在運行されている超低床電車について定員数や座席の座りやすさ、車両のデザイン、乗り心地などの満足度を記入するほか、新型車両に反映して欲しい改善点などを記入する。

実施期間は11月30日まで。回答者のなかから抽選で100人に「市電1日乗車券」をプレゼントする。熊本健康アプリ「もっと健康!げんき!アップ くまもと」利用者は、ポイント付与の対象になる。

交通局によると、現在運用している路面電車の使用年数(車齢)は最高70年、平均約46年で、法定耐用年数(13年)を大幅に超過。耐用年数以下の車両は3両(全体の約7%)しかなく、全体の半分以上が車齢60年を超えている。経年劣化の故障による出庫不能件数も増えており、2016年度が33件だったのに対し、2020年度は約2.4倍の80件だった。

このほか、バリアフリーに対応した車両は全体の約30%と少ない。また、車両数が少ないため朝夕ラッシュ時には積み残しが発生することもあるという。

熊本市交通局が新規導入を想定している「バリアフリーに対応し輸送力のある超低床形の多両編成車両」の一例(オーストリア・ウィーンの路面電車)。【撮影:草町義和】

こうしたことから交通局は、新型車両の導入と既存車両の廃車を計画。2024年度から2028年度にかけ、超低床車両10編成の導入を目指し、同時にバリアフリー未対応車の廃車を進める方針。新型車両は「バリアフリーに対応し輸送力のある超低床形の多両編成車両」を想定しているとしている。

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