1999年に全線廃止された新潟交通電車線の旧・月潟駅(新潟市南区)や車両を維持管理する市民団体「かぼちゃ電車保存会」は10月9日、同駅で電車の乗車体験イベントを行う。
月潟駅で保存されている車両のうち電車のモハ11を使用。同駅構内に残る線路(片道約50m)を1往復する。自走できないため車両移動機(アント)が牽引。かぼちゃ電車保存会によると、電車線の車両が走行するのは23年ぶりという。
発車時刻は10時30分・11時15分・12時00分・13時00分・13時45分・14時30分・15時15分・16時00分。乗車時間は約5分。
10時30分の電車は月潟小学校の児童が招待され、一般の人は乗車できない。それ以外の電車は先着順の事前予約制。1列車あたりの定員は35人で、10月2日10時から予約専用ウェブサイトで受け付ける。体験乗車参加費は大人(中学生以上)200円、子供(3歳~小学生)100円、幼児(3歳未満)無料。小学生未満は保護者の同伴が必要だ。
新潟交通電車線は新潟市中心部の白山前駅から信濃川水系の中ノ口川に沿ってJR弥彦線の燕駅を結んでいた36.1kmの鉄道路線。大河津分水の建設で中ノ口川の水量が減少したため船舶の航行が難しくなり、その代替交通機関として計画。1933年に開業した。
電車は黄色と緑色の2色で塗装され「かぼちゃ電車」と呼ばれたが、自動車交通の発展などもあり利用者が減少。1992年から1999年にかけ全線が廃止された。その際、モハ11と電動貨車モワ51、ラッセル車キ116の3両が月潟村(現在の新潟市)に譲渡され、月潟駅で静態保存されている。
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